カウンセリングの世界で有名な国分氏の、『カウンセリングの○○』シリーズの利点は、第一に国分氏の実にとっつきやすい文章にある。もったいづけず、直裁に語ってしまうので、ほんとにこんなことでいいのかと読む方はときどき思ってしまう(ときどき挟まれる「くすぐり」も笑っていいのか迷ってしまう)。実はそこにミソがあって、そうなったらもう実際に試してみるしかなくなる。そして、実のところ、ほとんどのことが、国分氏のあの小さい本の中に書いてあったな、とあとで思い返すのである。実際、これ以上に詳しい本となれば、山本次郎『カウンセリングの実技がわかる本(上・下)』(コスモス・ライブラリー) くらいしか思い付かない(これは本当にものすごく詳しい)。
もう四半世紀前の本になってしまったが、そして今ではこれを「超える」本ならいくらでもあるが、こんな風な本は未だにない。本当に、カウンセリングとは相手(クライアント)を前に何をすることなのかを、いざ相手(クライアント)を前にして、何をすればいいのか、聞けばいいのか,話せばいいのか、だったら何を話せばいいのかを、あっさりざっくり書いてある。
カウンセリングをゼロから学ぶなら(いろいろ読みはじめる前に)、あるいは、あまりに学び過ぎてアタマでっかちになったと思うなら(クライアントを前にする前に)人にも、この本は勧められる。