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「自律体」という概念、「熱力学の第4法則」の予感、「一般生物学」への展望にぐいぐい引き込まれます。前作「自己組織化と進化の論理―宇宙を貫く複雑系の法測」で受けた衝撃が、この本でさらに指数関数的に膨張しました。前作では、「複雑系」の研究の入口は見せて!えたものの、この先どのように発展していくのかは見当がつかない段階でした。しかし、今回の本で、その後の数年間の研究の成果や経済学への応用の可能性をより具体的に示してもらえ、「複雑系」というテーマの本質により近づけた気がします。
生物と物理に残された謎を、数学的アナロジーの世界と行き来しながら「探求:investigaions(本書の原題)」していく旅にやっとの思いでついていきながら感じる知的興奮は格別のものでした。カウフマン自身にとっては自明と思われる直感でも、一般読者に伝えるのは並大抵のことではないはずですが、私にとってぎりぎりの線でついていけるように噛み砕いて説明してもらえていました。
もちろん、平易というわけには行かず、20年近く前に大学で学んだ生物学と物理学にするささやかな直感を総動員してのことです。ただし、全10章中 9章まではなんとか直感でついていけましたが、最終章には降参しました。ここ10年で現れたというスピンネットワークという理論の知識がまったくなかったので、そのメタファーを使った話の展開がちんぷんかんぷんでした。その勉強をしてからもう一度チャレンジしたいと思います。ここでどうにか追いついておかないと、次の著作にはとうてい歯がたたなくなっているでしょう。
この本を読んで直感的に楽しめるように自分を維持しておきたい、もし完全についていけなくなったら落ち込んでしまうだろうなあ、と思いを強くしました。
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