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カイン―自分の「弱さ」に悩むきみへ (新潮文庫)
 
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カイン―自分の「弱さ」に悩むきみへ (新潮文庫) [文庫]

中島 義道
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (33件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

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   かつて自分の「弱さ」に苦しんだ著者が、優しさ、優柔不断、臆病など、自分の「弱さ」に悩む若者たちのために、渾身でつづった生き方の参考書。ナイーブな感受性をもつがゆえに悩む者への、哲学的「開き直り方」マニュアルである。

   本書は、悩める青年T君へ向けた著者の手紙という体裁をとる。自殺はするな、人の期待に背け、怒る技術を体得せよ…と各章で、生きていくための厳しい「戦略」を提示する。「優しさ」を無言のうちに強制する「世間」から奪われた「野生」を取り戻す「武装蜂起」のための、反骨のゲリラ戦術教本である。

 「ひとに『迷惑をかける』訓練をせよ」の章がおもしろい。繊細すぎる者は多く周りから「いい子」を期待されてきた者だと語り、わざと時間に遅れ、金を返さず、「酒のせい」にしてみなの悪口を言え、と主張する。著者はこうした「小さな迷惑運動」が「いい子」の鎧を壊し、「悪」を実感・体感することが「生きる力」を養うと説く。「迷惑をかけよ」という主張には疑問が残るが、「自覚的に」悪であれ、という論理自体はきわめて倫理的・道徳的である。

   著者は「世間」への「なぜ?」という問いと孤独とを背負って生き抜くほかない者を、旧約聖書のカインになぞらえる。そして、どうしたら安全な共同体に戻ることができるか、ではなく、カインとして真摯に生き抜くにはどうしたらいいか、を問いつつ生きよと言う。

 「30年前の自身に向けて」本書を書いたと述べる著者は、今やジコチューで攻撃的、全身鋼(はがね)のように傷つかない人間に変貌した。「ぼくは過剰な不幸に…過剰に防衛してしまった結果、過剰に強くなってしまったのである」。悲壮感漂う本書にも、巧まざるユーモアは健在だ。(濱 籟太) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

出版社/著者からの内容紹介

ぼくはいかにして「強く」なったか
“戦う哲学者”が語る自分を自分らしく救う方法

「なぜなのだ?」と問いつづけて生きる運命(さだめ)のカインたちよ、世間に怯えず、社会に迎合することなく、強く生きる道がここにある!

ぼくが“弱い人”に言いたいこと、それはきみが強くなりたいのだったら、強くなる修行をしなければならない、ということだ。強くなるためには、きみは厖大な数の他人を捨てねばならず、彼らを無視しなければならず、彼らの期待にそむかねばならず、彼らから嫌われなければならず、彼らに迷惑をかけなければならず、あえて言えば彼らを(精神的に)殺さねばならない。だが、これには多大な犠牲が伴う。そのことを承知のうえで、はたしてきみはその道を歩き続けることができるだろうか?……はじめにより
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 222ページ
  • 出版社: 新潮社 (2005/07)
  • ISBN-10: 4101467250
  • ISBN-13: 978-4101467252
  • 発売日: 2005/07
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (33件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
気が小さく優等生ゆえに、反抗できない、そんな自分に嫌気が差す。そして自分を責め続ける。自暴自棄になる。でも周りの親や先生や友達も誰もこの苦悩は分かってくれない。伝えることすら出来ない。生きることの意味がわからない。だからと言って死ぬことは怖い。
この本を読んでいて、いつかそんな自分がいたなと感慨に浸って、そんな自分が懐かしくそして何処か羨ましくなる時があった。そういう感情を持つということは、僕は、今はもう悩むということを見てみぬふりをして、著者のいう「善良」な市民が作る社会に迎合するようになってしまったのかもしれない。そう思いながらも、僕は時折揺らされるという感じの苦悩に頭を抱える。自分の存在意義や将来に対する漠然とした不安に答えなど出ないのが分かりながら、頭の中で考え続ける。そして疲れきって、やっとそこから開放される。
こんな事を書いていると「若気の至り」だとか「真面目過ぎる」だとか言われそうだが、だからと言ってじゃ簡単に粗暴に物事を捉えようとしてもそれは何処か演技をしているようでまた苦しくなる。言葉に重みを置けなくなくなって軽く渇いてしまう。
この本はそんな悩みを抱えている僕にとっては何処か優しさを感じられる反面とても悲壮感も感じさせる本であった。
世間でよく言われるている「あんな真面目な子がどうしてこんな犯罪を犯す」のかよく分からない人はこの本から何か感じられるかもしれないと思う。
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84 人中、78人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 わたしは、他人といるとほとほとくたびれてしまう非常に繊細
でくず折れやすい人間なので、この本に登場する「T君」は、
まるで自分の生き写しのように思えました。
 威圧的で過干渉な親によって神経がか細く出来てしまった
独特の感受性を持つ人というのは、少ないながらも確かに存在
するんです。もう一時も気が休まることがない人たち。
四六時中他人の機嫌に怯え、朝夕に自分の死に恐怖し、この世とは
自分とは、一体なんなのか、とくたびれ果てるまで黙考せずには
いられない人たちが。そんな人たちを中島氏は「カイン」と呼ぶ。
カインは恐らく一生不幸でしょう。少なくとも世間的な意味での
幸福を享受することはないでしょう。それでいいのかもしれない。
そんなカインたる自分を愛し信じてあげることこそが
崇高なことなのかもしれない。しかし、それができない。
そう簡単に心の内奥深くから蝕むこの病は癒えない。
この世に自分と同じように、仕様がないほど
弱い同類がいることを、この本に確認できたことが嬉しい。
このレビューは参考になりましたか?
43 人中、39人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
この本に書かれている文章ひとつひとつにどれほど助けられたことか。
決してこの本で幸せになれることはない。むしろ、さらに不幸になった。
しかし、なぜか救いと呼びたくなってしまう。そういった不思議な性格の本である。

まるで自分に話しかけてくれているような手紙形式がさらに優しい。

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