イギリスの映像作家マックスはパレスチナの現状を映画にしようと、ビデオカメラを携えてヨルダン西岸地区へと入ります。
緊張気味だった彼の目を捉えたのは、カイトを作っているパレスチナ人の羊飼い少年ザイード。彼は何故か話さないのですが、心は通じて仲良くなります。ビデオカメラが魅力的だったからかも知れません。
彼に連れられて村へ向かうマックスはがれきの山で足をくじいてしまいますがザイードの助けでなんとか、たどり着きます。
翌朝ザイードはカイトをあげます。それは壁の向こうにいる、名も知らぬ車いすのユダヤ人少女へ届くようにです。カイトに書かれている文字は「サラーム」、平和。
ザイードはこうして2年間、毎日のようにカイトを少女に贈っているのです。願いが届くように。
ザイードが何故話せないかの謎も次第に明らかになっていき、マックスが最後に見た光景は?
子どもの力を信じるか、子どもに願いを託すしかない現状を憂うかは、読者しだいです。二択ではありません。私は両方取ります。
あえてさりげない日常っぽく描かれたローラ・カーリンの絵は、様々なメーセージを届けます。