ビートルズの活動停止後、ジョージが始めてリリースしたソロアルバム。前2作が映画サントラ盤と実験音楽であったため、これが実質的な初ソロアルバムと言える。ビートルズのアルバムでは、アルバム中2曲までしか自作曲をピックアップしてもらえなかったジョージが、このアルバムのレコーディングまでに多くのストックを温めていたことは想像に難くない。実際、タイトル曲 All Things Must Pass はビートルズの「アンソロジー3」にてジョージのデモテイクが披露されている。それまで、ビートルズのアルバムで自作曲を取り上げてもらうべく、ストックを小出しにして来ざるを得なかった彼の作品群が、エリック・クラプトンやデイヴ・メイスン、ビリー・プレストンやリンゴ・スターといった幅広い交友関係で結ばれたミュージシャンによって奏でられ、フィル・スペクターのプロデュースによって纏め上げられ、まさにジョージの才能の開花を高らかに宣言したロック界の金字塔と賞される作品。
71年の発売時には、アナログレコード3枚組みというボリュームにもかかわらず、全米・全英No.1ヒットを記録し、さらに My Sweet Lord や What Is Life といったビッグヒットシングルも生み出している、まさに傑作の名にふさわしいアルバム。
この新装盤リマスターは、マスタリングがあまり良くなかった以前のCDの問題点を払拭し、フィル・スペクターのプロデュースによるダイナミズムをより壮大に感じさせてくれる。