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97 人中、96人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
すぐれた人物評伝です。美輪ファンならずとも一読の価値ありです。,
By INEKO (東京都世田谷区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: オーラの素顔 美輪明宏のいきかた (単行本)
知人に薦められて読みました。『消された一家 北九州・連続監禁殺人事件』(新潮社)など、硬派な事件ノンフィクションの書き手として知られるライター・豊田正義氏による美輪明宏の評伝です。豊田氏自身、昨今の「スピリチュアルブーム」などにはまったく興味のないところから、美輪明宏という対象と出会い、関心を深めるなかで、今回の本に取り組むに至ったと、本書のあとがきで記していますが、かくいうわたしも、霊だのオーラだのといったことには懐疑的で、美輪明宏という人については、「三島由紀夫や寺山修司と交流のあった歌手で、現在テレビで再ブレイク中」という程度にしか、当初、認識していませんでした。 しかし、長崎での被爆体験にはじまり、シスター・ボーイとして銀座の街に降り立った青春時代、極貧のなかで異母弟たちを養った家族への愛、三島由紀夫、赤木圭一郎、寺山修司、田宮次郎ら、戦後日本史に名を残す華麗なる面々との若き日の出会い、そして死別など、まさに「ドラマチック」としか言いようのない美輪明宏の人生を、多くの関係者からの証言や資料による裏づけをもとに、「ノンフィクション」の手法を逸脱することなく、粛々と書き進める筆者の姿勢には、ライターたるものの矜持が窺え、「美輪明宏のファンブック」などではない、至極まっとうな「評伝」としての信頼を感じます。筆者が美輪明宏の長崎時代の「初恋の人(作中では「D」とされています)」のフルネームを知っていたことについて、美輪氏本人が驚いていたというエピソードや、帯に書かれた「あなた、私より私のことを知っているのね」という言葉からは、おそらく美輪明宏その人が、本作品の出来ばえにもっとも感心しているのではないかとさえ推測されます。 また、単に「誰それと交流があった」という事実を連ねるのではなく、美輪明宏が、そのときどきに接した人物に対し、どのような心情を抱いていたか、たとえば「大作家然とした三島由紀夫を平気で袖にした出会い」から、交流が芽生えていったいきさつ、その後、人生の折々で交わされた言葉や、三島の自害をどのように捉えていたかなど、「心のひだ」に踏み込むシーンが多々あり、そこにはなぜ、美輪明宏が、これほどまでに多くの人の心を惹きつけてやまないのか、その魅力の輪郭をくっきりと見てとることができます。 『オーラの泉』でおなじみの江原啓之との出会い(「霊界の宣伝マン」こと丹波哲郎が彼らを結びつけたそうです)や、「はたして美輪明宏に霊能力はあるのか」といった問題など、近年のブームをきっかけに美輪ファンになったという若い読者にとっても知りたい情報満載です。 美輪明宏に関心のある人にとっては、美輪明宏を知るための信頼できる資料として、美輪明宏に関心のない人にとっては、戦後日本を生きたひとりの人物の興味深い評伝として、有意義な読書体験となることは間違いないでしょう。自信を持ってお勧めします。
87 人中、85人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
一冊の清涼本!,
By ビビンバM (東京都世田谷区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: オーラの素顔 美輪明宏のいきかた (単行本)
意外なことに、美輪明宏についてこれだけ客観的に、詳細に書かれた本は初めてではないだろうか。私は「紫の履歴書」「ああ正負の法則」など、美輪さんによって書かれたいわゆる「美輪本」は全て読破しているだけに、この「オーラの素顔 美輪明宏のいきかた」はとても新鮮だった。 従来の「美輪さん本」は、いわば美輪明宏の強烈な主観から成る独白や説法であり、客観的に見れば、強引な理屈や理論の飛躍と思われるようなくだりが決して少なくはない。 例えば「美輪さん本」には、「とにかく南無妙法蓮華経と唱えれば大丈夫」「今までいろいろ試したけれど南無妙法蓮華経が一番効きます」といったコメントが、何の脈略もなく、唐突に出てくることがある。 こんな時、美輪信者たちは、「美輪さんのお言葉だから」と、むしろありがたく胸に刻みお経を唱えるのかもしれない。 ちなみに、特に美輪さん信者ではないが、スピリチュアル本中毒の私などは、「おっ、美輪さん節が出た」などとおもしろがったりする。 ところが、この「オーラの素顔」を読むと美輪明宏の法華経との出会いから信者になっていく経緯、そして日々お経を欠かさず、例え舞台があったとしても節分には必ず法華寺での豆まきを欠かしたことがないといった敬虔な法華経信者としての美輪の素顔が詳細に書かれてあり、「美輪本」における唐突と思えるコメントが実は地に足のついたものであることに気づかされる。 つまり「美輪さん本」の中で脈略なく思われたくだりが、この「オーラの素顔」で初めて文脈としてつながり、美輪さんファンにとっては、「なるほど、そうだったのか」と膝を打つくだりが隋所にあるはずなのだ。 スピリチュアル・ブームの火付け役としての美輪明宏の描写も非常に興味深い。 「オーラの泉」とった番組がポッとできたわけでは決してなく、丹波哲郎をはじめとした、いわばスピリチュアリズムの同志たちが、長年試行錯誤を繰り返し、練り続けた悲願ともいえる番組である経緯が詳しく描かれていてる。 特に、「霊界の宣伝マン」と称して、生前ややきわもの的な印象だった丹波哲郎の、誠実で純粋な生き様を紹介しているくだりは不覚ながら泣けてしまった。 著者である豊田正義氏が、後書きで本書を書く上でもっとも苦労したことは、「霊の話しをノンフィクション作品の中で書き込むことの難しさに尽きる」と書いてるだけに、霊やスピリチュアル・ブームについて、批判するでも賛美するでもない、実に絶妙なスタンスを崩さず書き抜かれているあたりは、スピリチュアル本に対してやや食傷気味になっている私にっては、何とも言えないすがすがしい読後感があり、「一服の清涼剤」ならぬ、「一冊の清涼本」であった。 スピリチュアル・ブームの爛熟期である今、必要とされているのは、こうした誠実なノンフィクションなのだと実感する。
21 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
大満足!,
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レビュー対象商品: オーラの素顔 美輪明宏のいきかた (単行本)
美輪さんの著書および対談などにはほぼ目を通していて、今回の本も 迷わず手に取りました。 今までは美輪さんご自身によるものばかりでしたが、 第三者の目から客観的に語られる生まれた時から 現在までの美輪さん・・・。 それが驚くほどに丹念に調べ上げられていて、 様々な人にインタビューを行っている点、 いろいろな資料に丁寧に接している点など 当たり前かも知れませんが、感服しました。 そしてこれまた当たり前かも知れませんが、 文章が整理されていて大変読みやすく、 章の組み立て、時系列などの点でも とても読みやすく、結構なボリュームのある本なのに、 とても面白くて、休日1日で読みきってしまいました。 本当は、面白い本だからじっくり読みたかったのですが。 著者の本は今回初めて接しましたが、 その情報を整理する力、筆力など すべてに感服しました。 美輪さんという素材と豊田さんという著者、 そのどちらが欠けてもこの本は出来なかったと思います。 大変すばらしい本です。 美輪さんファンの方はもちろん、 「なんだか胡散臭い」と思われる方も ぜひ手にとって見てください。 とても、読みがいのある面白い本でした。 読んだ後、なんだか気持ちが豊かになるような そんな気がしました。
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