「グループウエア」は,LANやインターネット(本書ではiモードも)を利用し,グループでの作業を支援するためのソフトだ。スケジュールや各種情報などの相互共有やワークフローの自動化などの機能をもつ。
「オープンソース」は,Linuxのような「ソース・コード(プログラムの内容・仕組み)の公開されているプログラム」で,無償で使用できる。「タダより高いものはない」という言葉はここでは忘れてほしい。市販のソフトや,シェアウエアに劣らず使えるものがあることはLinuxが証明している。本書で使用するソフトウエアは,OS(LinuxあるいはFreeBSD),データベース(PostgreSQL),スクリプト言語(PHP),グループウエア(SkyBoard)のすべてがこのオープンソースとなっている。
本書の前半は,オープン・ソフトウエアとは? グループウエアがどのように使えるのか,リモート・オフィスなど新しいワーク・スタイルとの関係,iモードの活用法,など主として管理者・経営者向けの話題が中心。各種ソフトのインストールや設定方法についての説明もあるが,この部分は,もしシステム担当者がいるならその専任者に読んでもらうのがいいだろう。
前半部は,かなり初心者を意識した書き方にはなっているが,普通のビジネス書ではないので,具体例などを理解するにはある程度の知識が必要だ。もっとも,実際にグループウエアを導入しようと考えるのであれば,システム担当者に任せっきりにするのではなく,この部分は読めるようになるくらいの努力は必要だろう。
後半は,SkyBoardというグループウエアの紹介と使い方の説明になっている。プログラム自体に興味のある人や,システム担当者は,前半のソフトのインストール部分とこの後半,そして付属のCD-ROM(必要なソフトはすべて入っているという)を見て,実際にSkyBoardを触ってみるというのもいいだろう。
SOHOや中小企業の経営者からシステム担当者までを対象読者に想定しているようだが,このターゲットの幅が,本書の性格をあいまいにしている。理解に必要な予備知識にかなりの幅があるのだ。いい方に考えれば,1冊で2冊分の内容を盛り込んだお買い得な本ともいえる。理解できる章だけ読むというのが本書の適切な読み方なのだろう。また,分からない部分を別の参考書で掘り下げていこうとする人には,いい道しるべになってくれると思われる。 (ACTA テクニカルライター 志賀 武)
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