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14 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
読んだら忘れられない本,
レビュー対象商品: オーパ! (集英社文庫 122-A) (文庫)
はじめてハードカバーで読んだ20何年前、そっと一人で写真を眺めながら文章を読んでいるとブラジルに居る気分になった。読み終わってふと自分の周囲がブラジルでは無い現実に気付き、ブラジルに行きたくなった。で、実際にブラジルに行って、この本のままだということに気付いてからまた読み直し文章の上手さに感動。文庫本でもその雰囲気は充分伝わります。これだけ版を重ねているのも日本での日常に無いものがストレートに伝わってくるからでしょう。一読後、ぜひ現地に行って「オーパ」というちょっとコミカルな含みもあることばを実際に聞いてきてください。この本のタイトルと内容がぴったりな事には、心から「オーパ!」(びっくり)です。
15 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
できれば大判で読みたい、歴史に残る紀行文の名作。,
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レビュー対象商品: オーパ! (集英社文庫 122-A) (文庫)
開高健の男臭い文体に、私ははるか昔「日本三文オペラ」で初めて接し、しばらくはこれに魅了されて、当時入手できた作品の大半を読んだ。しかし、彼が亡くなった頃にはその熱も冷め、その独特の表現法に幾分辟易してしまっていたから、この作品には結局20数年の間、取り組む機会を失っていたことになる。とくにこれは、最初に世に出たのが豪華本としてであったから、当時金のない学生だった私には手が届かず、その後はたまたま懐に余裕があっても本が品切れしていたり、あっても心ない人の手でぼろぼろになっていたりして、そのうち「これだけは文庫では買わない」という決意も失せ、結局のところ今頃になって、不本意ながら文庫のしかも古書として入手することとなった。つまり、あくまでこの作品は豪本で入手することをお勧めするのである。美しい写真の迫力は文庫本でもかなりの程度伝わるけれど、やはりこの場合、アマゾンである。大きくなければならない。 開高健の文章は、久々に読んで、相変わらずのアクの強さを味わわされたが、さすがに見事なものである。男の文章。汗くさい文章。しかし名文である。秘境・大アマゾンの紀行文としても長く歴史に残るだろうし、そのアマゾンさえもが人間の手で蹂躙されつつある時代に対する、彼の静かな悲しみが伝わってくる(本書の旅は1977年。一体今はどうなっているのだろう?)。私は日本でもよく言われるところの「都会人の手前勝手な自然信仰」という反論には与しない。人間が大地の神聖を奪っていいなどと、思い上がるのは大間違いである(その癖、たとえば人工授精などという瑣末なことには目くじら立てる。だって「金儲け」にならないから)。開高健は決して声高にはならない。全編を流れるかすかな哀調は、失われゆく大自然に対する彼の惜別の思いであるだろう。
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
漂う虚無感と漲る活力,
By 魚徳 (東京都調布市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: オーパ! (集英社文庫 122-A) (文庫)
開高氏の書物は、10年前に30代前半で「はまった」。以来、小説も含めてかなりの量を読んできた。中でも、この「オーパ」は最高傑作の一つだと思う。氏の「輝ける闇」や「フィッシュ・オン」と並んで、私にとっては、再読・再々読・再再々読に耐える貴重な作品たちの中の一つだ。文章表現の濃度と密度は「輝ける闇」に、キレの点では短編をまとめた「フィッシュ・オン」に軍配が上がるように思う。が、この「オーパ」には(もちろん昨今の安直な流行作家とは比較にならないほど文章は素晴らしいが)不思議な力がある。素晴らしい写真と相俟って、新鮮な驚きの連続で頁をめくる度に読み手に活力が漲ってくる。が同時に、太陽ぎらつく南米の川と魚と人を描いていながら、全編に静かに漂っているのは何とも言えない虚無感だ。この虚無感がクセモノで、どういうわけか何回も引き付けられてしまう。その理由は分からない。「現代のアマゾンは、もっと自然破壊が進んでいるんだろうなあ。それも人間の業なのだなあ」ということを勝手に想像してしまうせいかもしれない。とにかく、また今宵も読むのだ。 これは単なる作家先生の釣り紀行ではない(その後に出された続編群が次第にそうなっていくのは残念だ)。御本人が意識する・しないに関わらず、本作品は氏の内面までも絞り出した、「小説」でもあるように思う。その意味では、本作品は舞台をベトナムから南米のジャングルに移した、「輝ける闇」と言えるかもしれない。
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