1巻では、地方出身でそれぞれコンプレックスを抱えるたくむといばらが惹かれ合ってつき合い出す一方で、普通の日常(オーディナリー・ワールド)をもたず鬱々としていたゆらみがたくむと同居するうちに彼の中にそれを見つける、という背景があり、風紀委員長にたくむとの同居が露見したときのゆらみの覚醒とその後のたくむをめぐるいばらとの修羅場モードへの突入、というドタバタだけではない背景をもとにした盛り上がりの面白さを感じました。
2巻では他のレビュアーの方が書かれているとおり、風紀委員長とその父親、いばらの父親によって背景が生きていない荒唐無稽なドタバタになってしまった内容が、3巻でどうなるのか期待半分疑問半分で読んだのですが、3巻も「残念ながら…」でした。
2巻があんまりな内容だったせいか風紀委員長はまったく出てきませんが、新たにいばらのフランス人の母親が登場します。いばらと結婚させるために父親に連れされられたたくむがゆらみと一緒にいばらの家(城)を脱出するのを手伝ったり、その後夫に愛想を尽かせて離婚すると言い出したりします。そのいばらの母親に対して栃木ラブで群馬嫌いだったはずのたくむが群馬の名所を案内して離婚を思いとどまらせようとする、自分にとっては訳の分からない展開でした。オーディナリー・ワールドという言葉は出てきますが、ラストのゆらみの選択に「そんなので良かったんだ」とがっくり。1巻で「猫屋敷さんが傍観者であるのをやめたときこそ俺は…」みたいな感じでゆらみとの絡みを予感させたイケメン友人も、結局は都合の良い場面で都合よく説明に使われるだけの存在で終わりでした。
イラストは1巻から変わらずかわいくて良かったです。巻末にはミニコミックがあります。口絵のカラーイラストは本文に合っていそうで実際にはないシーンですが、こんな内容で本文も進めば良かったのに、と思わせるくらいかわいいです。イラスト分を加点して星2つですかね。