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結婚するのも女が二つ年上では格好が悪いなどと言われ、結婚相手も家族が選ぶような時代の話だ。二人の純粋な気持ちがまっすぐ、柔らかに描かれている。誰もがかつてこのような恋心を抱いた事があるだろう。その気持ちが切なく思い出される筆致だ。最初で最後の恋。心に残る一冊。
昔の作品であるので、当然のことながら文章の質は、
現代の小説とかなり違う。
しかし、それを読みにくいと思うことはなかった。
逆に、伊藤左千夫氏の文体が、野菊の墓を描くにあたって、
とても合っている。
好きとはどういうことか、人が死ぬとはどういうことか、
などを問うている作品ではなく、
人間の感情の根幹を揺さぶってくるような、
映像ではなく活字ならではの味が滲み出ている作品である。
一読をお勧めする。
女性の方が年上だから結婚できないなんてことは、もちろん現代の日本ではまずありません。親が縁談を持ってきたら、たとえ嫌でも従わなければならないなんてことも滅多にないでしょう。だから現代の日本ではこんな悲劇は基本的に起きません。しかし、そうした抑圧の解消と共に、現代の日本では民子のような純粋さもなくなってしまったような気がしてならないのは僕だけでしょうか。
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