今までオーディオテクニカのAT-6015, 6017, 6018, 6012X も含め、沢山の種類のレコードクリーナーを使ってきたが、これらのモデルのベースとなったAT-6012が一番使いやすい。他社の旧製品と比べても、AT-6012と比肩できるのはDENONのAMC-10と、「昔のDISC WASHER D4(米国の口コミを見ると現在のD4はベルベットの構造、質が変更された別物らしい)」位だと思う。
AT-6012Xとの最大の違いは使っているベルベットにある。AT-6012のベルベットには方向性があり、乾式として使ってもレコードのゴミ、ホコリをすくい取ることが出来るのに対して、姉妹モデルのAT-6012Xのベルベットには方向性が無いのでゴミ、ホコリを集めることはできるが、すくい取ることは難しい。
付属のクリーナー液を注入して湿式として使うならAT-6017の方が湿り気のコントロールができるし、クリーナー容器の密閉性が高く長期間(約2週間)液を注入せずに済むので毎日レコードを聞く人には薦められる。毎日レコード1〜2枚を聴く程度であれば、必用なときにだけクリーナー液を2〜3滴6012に垂らしてクリーナーボトルの底などで延ばすことでAT-6018のような使い方も可能であり、十分な効果が得られる。AT-6017は密閉性が高くベルベットが乾燥しにくいのが逆に災いしてベルベット面がカビくさくなってしまうことがあるので、AT-6017を湿式で使う場合には2個用意して、一ヶ月ごとに入れ替えてベルベット面を乾燥させて日光消毒することをお勧めする。個人的にはAT-6012の方がAT-6017よりもベルベットの面積が広く、クリーナー下面全体に張ってあるので、AT-6012の方がクリーナーとしての使い勝手ははるかに良いと思う。
AT-6018 は「取っ手部分に金属を使うことで静電気除去効果がある」と謳っているものの、私が使ってみた感じではAT-6012,AT-6017 よりもむしろレコードが帯電しやすいようにも感じる。また、容器の密閉性は6017ほど高くないので6017よりもクリーニング液の消費量は多くなってしまう。
湿式はクリーニング効果は高いものの、レコードが乾燥するまで待たないとレコード、レコード針にダメージを与える可能性があるので、私は最近はもっぱら乾式でAT-6012を使っている。 レコードにAT-6012ができるだけ軽く接触するようにして、丁寧にクリーニングすれば、AT-6012を乾式で使っても殆どのマイクロダストを取り除くことができるし、「これで取れないホコリは他でも駄目だろう」と感じる。アナログレコードを聴く場合には、良い意味で「細かいことは気にしすぎない」おおらかさも必要だと思う。
ちなみに、スタイラスクリーニングは普段はDL-103付属のブラシの先端の一部をハサミで斜めに切ったもでレコード片面を聴く前後にホコリを払い、LP100枚を聞く間に1〜2回程度、高密度ブラシ(昔買ったイケダ製のもの。現在売っているピカリングのAP-1に近いもの)を使っている。スタイラスクリーニングもクリーナー液の類は全く使わなくなった。
AT-6012は6017、6018よりも持ちやすく、全体に丸く仕上げられているので万が一手を滑らせてレコード盤上にクリーナーを落としてもレコード盤にダメージを与える可能性が非常に低いことも評価できる。
ナガオカのアルジャントなどと違ってベルベットの幅を十分にとっているので30cmLPを一度でふき取ることができるのも使いやすい。
総合的にみて、ベストのレコードクリーナーだと思う。改良すべき点は殆ど見当たらないので、このまま長く作り続けて欲しい製品である。(唯一、改良できる点があるとすれば、ベルベット面のホコリをとるためのブラシはAT-6017付属の物の方が使いやすいので、AT-6012にAT-6017付属のブラシを添付してくれれば完璧ではあるが・・・)