とにかくオーティスのバラードに落涙ものです。
バックのMG'Sの音も、無駄な装飾音もなく、
一音、ワンフレーズを入魂で弾いているだけに、
オーティスの歌の上手さ、声の表情がはっきりと出ています。
これこそバックバンドの理想形だと思います。
この音をバックに、心の襞を感情をこめて
一音、一音歌い上げるオーティス。
バックと歌い手が一体になったからこそ、
これらの名演、名曲が生まれたのでしょう。
以前、スティーヴ・クロッパーが
初期のスタックスは、学校のような雰囲気でそれぞれが意見を出し合って、
曲を完成させていったと言っていましたが、
その雰囲気が、このアルバムでは十分に感じられます。
スタックスが60年代のローカル・レーベルだったからこそ、
成しえた音だと思います。
その後、オーティスの死、スタックスが大手レーベルになり、
この音の作り方が消えていったのは残念でなりません。