本書を一読し、最初に頭に浮かんだフレーズが、「神は細部に宿り給う」だった。大所帯のオーケストラだが、彼らの演奏がステージに載り、聴衆が耳にするまで、たくさんの裏方さんたちが仕事をしている。見えない仕事といえど、細心の注意が必要とされる、ないがしろにすることができない仕事、また細かい、時間勝負の仕事だが、関わる人の仕事への思い入れ、心の傾け方が、成果品ににじみでてしまう仕事。こうした仕事に対する「職人さん」たちの思い入れが、手にとるように伝わってくる。仕事は心でするものなのだなあと、改めて思った。
職人さんの仕事もさることながら、本書で特に印象の残っているのが、文化メセナに関する一考。お金があればよいというものではない、要は文化を生活のなかにどのように消化し、血肉にしているかなのだとと気付かされた。