20万年前の過去界でカピンの要人オヴァロンを助けて活路を切り開くテラナーの活躍を描く大長編SFスペース・オペラ宇宙英雄ローダン・シリーズ第220巻。本国ドイツでの通算440巻目を飾る執筆者は大御所と最若手の競演ダールトンとクナイフェルです。ここまでの作者別登場回数順位はダールトン103、フォルツ86、マール77、エーヴェルス60、シェール49、ブラント38、クナイフェル20、ショルス4、シェパード3となります。行方不明となったローダン他四人を探す為に、グッキーたちはカピンの支配するレムリア大陸に潜入する。
『オヴァロン制御ステーション』クラーク・ダールトン著:グッキーらは微弱なイホ・トロトの発するシグナルを頼りに懸命の捜索を続ける。一方、首都に戻ったカピンの要人オヴァロンにも危機が迫る。かつて部下だったタラカンがオヴァロンの暗殺を謀ったのだ。彼は辛くも首都を脱出し、ローダンに協力する決意を固める。『過去界漂流』ハンス・クナイフェル著:グッキーらはローダンと合流し、オヴァロンの要請によりケンタウルスのタクヴォリアンを連れて敵に誘拐された女性科学者メルセイレの救出に向かう。アトラン一行も再び過去から戻り落ち着いたかに見えたが、何と偶然に連れて来た原人の悪戯によりゼロ時間デフォルメーターがカスカルと共に消失してしまう。
ケンタウルスのタクヴォリアンはモヴェーターというミュータントで、自分の体はそのままで物体の時間経過を遅らせたり早めたりする能力を持ちます。前半で猿人達の争いの動機が「わしらの女を奪うから」と聞いたグッキーが「いつもいつも女かい!」とぼやくと、仲間から「女なしの人生は半分の価値しかない」とたしなめられて納得する場面がユーモラスです。故松谷健二氏のあとがきは、残念ですが向う一年間10冊分の仮題タイトルの紹介のみでしたので、また次巻に期待しましょうね。