性的倒錯者、ポルノ作家、性技指導家、性の伝道師、自称開かれた女たちとの清らかにして淫微なインタビュー、対談、参与的観察の記録。
ハラオビには「目から鱗!」と大著されている。このコピーは、なるほど言いすぎではない。性そしてポルノの世界史から具体的な各種テクニックの説明まで、この本の守備範囲は広範にしてディープ。
作者は神保町にほど近い女子大に勤務しているという。「性の文化史」なぞという講座を持って、この本で女子学生を相手に輪読形式のセミナーでもやっているのであろうか?
そんな妄想を横に置きながらも一気に読んでしまえる一書である。人的資源の非常に重要なパースペクティブとしての性。多様な性人材とのダイアローグのなかに、著者の遍歴が顔をのぞかせる。ただし、妙味な観察者としての視座を維持している本書の構成は、たんなる卑猥に走る品のなさを補ってあまりある。
稀覯本のコレクターとしても知られる著者ではあるが、やはり、この人の本質は、人目にあまり触れない「なにか」、白日堂々と語られえぬ「なにか」を収集する悦楽のなかに、臆面もなく自己を投じることができる素直さになるのではないか。
そのような方向性を共有できる読者にとっては価値ある一冊となるだろう。ただし、スクエアな読者にとっては、単なる変態の一冊だろう。その意味で、この本は読者を選ぶ書である。