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オン・ザ・ロード (河出文庫)
 
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オン・ザ・ロード (河出文庫) [文庫]

ジャック・ケルアック , 青山 南
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

安住に否を突きつけ、自由を夢見て終わらない旅に向かう若者たち。ビート・ジェネレーションの誕生を告げ、その後のあらゆる文化に決定的な影響を与えつづけた不滅の青春の書が半世紀ぶりの新訳で甦る。

内容(「BOOK」データベースより)

若い作家サルとその親友ディーンは、自由を求めて広大なアメリカ大陸を疾駆する。順応の50年代から叛逆の60年代へ、カウンターカルチャー花開く時代の幕開けを告げ、後のあらゆる文化に決定的な影響を与えた伝説の書。バロウズやギンズバーグ等実在モデルでも話題を呼び、ボブ・ディランに「ぼくの人生を変えた本」と言わしめた青春のバイブル『路上』が半世紀ぶりの新訳で甦る。

登録情報

  • 文庫: 524ページ
  • 出版社: 河出書房新社 (2010/6/4)
  • 言語 日本語, 日本語, 日本語
  • ISBN-10: 4309463347
  • ISBN-13: 978-4309463346
  • 発売日: 2010/6/4
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 8,104位 (本のベストセラーを見る)
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形式:文庫
 なんといっても、ディーン。

ディーンはまさに路上の男、誕生したのも路上で一九二六年、ロサンジェルスへ向かう両親がユタのソルトレイク・シティを通過しているとき、ボロ車のなかで生まれた。

(前略)そのうち、ぼくまでもだんだんディーンみたいになってきた。やつは生きることに興奮しまくっている若者だった。ペテン師だが、ひとをペテンにかけるのも思いっきり生きたいからで、そうでもしなきゃ見向きもしてくれない連中と付き合うためだった。

 ディーンの駐車場での働きぶり、その描写はどうだ。

車を時速四〇マイル(65km)で窮屈なスペースにバックさせると壁ぎりぎりで停め、ひょいと飛び降り、フェンダーのあいだを駆けぬけ、今度は別な車に飛び乗り、時速五〇マイルで狭い空間を抜け、バックで狭苦しい場所に突っこんでサイドブレーキで停めて、ゆらゆら揺れている車からぴょんと飛び出す。

 云々と、息つく暇ないディーンの働きぶりが息つく暇ない描写によって見事、再現されている。ディーンはとまらない。

ディーンはエンジンを切り、クラッチを入れると、あらゆるヘアピン・カーブをものともせず、つぎつぎと車を追い越し、いろんな本に書いてあることぜんぶをアクセルを踏まずにやりとげた。(中略)やつは第一級の追い越しのリズムと楽しみをすべて承知していた。

 ディーンによる「アルトサックス吹き」に対する評言は、こうだ。

(前略)吹きながら橋を渡り、また引き返し、そうしながら無限に感情をはたらかせて魂を探りながら瞬間の音色を求めていくと、徐々にみんなにもわかってくるんだよ。大事なのは音色じゃない、アレなんだってな――

 「アレ」って、なんなんだ?

(前略)壁に掛かった一枚の絵に身を固くして注意を向けた。近づいていって至近でながめ、後ろにさがり、しゃがみ、跳びはね、あらゆる角度から見ようとし、Tシャツをぐいっとつかんで叫んだ。「くそったれ!」(中略)ディーンを見るみんなの顔が母親のような父親のような愛情で輝きはじめた。とうとうやつは天使になった。

 書き写してみたくなる文章やフレーズもある。たとえば、

(前略)なにごとも、内側は終わりもなく始まりもなく、空っぽだ。無知がさまざまな悲しい形になる。

 とか、

ここにぼくはなにしに来たのか? ぼくの中国行きのスロー・ボートはどこだ?

 とか。「中国行きのスロー・ボート」。まったく未知の、はるか遠くにある、異世界への憧れ、その象徴が中国! そして、そこへは、「スロー」に「ボート」で向かう。ふむ! まったく、途方もなく気が遠くなりそうだ。象徴だけれど。

 さらには「なんというわびしさ!」とか、「大先生に新思想は吹き込むな」とか。作中に、ちらと登場する『ドクター・サックス』、という物語も興味深い。

 本書「解説」で著者は、「ケルアックはおなじ言葉を何度もためらわず使う」と指摘。その具体例をいくつか挙げているが、そこからは漏れたものとして、「幽霊」あるいは「亡霊」を紹介する。たとえば、「幽霊の人生」、「ジャック・ロンドンの時代のサンフランシスコの亡霊」、「昔の船長たちの幽霊」、「やつれた幽霊」、「サスケハナ川の幽霊」、「毛むくじゃらの幽霊」、「歩道に幽霊」、……、というように。「幽霊」あるいは「亡霊」なんかは、この世から叩き(beat)出された存在としての「ビート」の感覚が宿っているのかもしれない。

どこにいようが、おれのトランクはベッドの下からいつでも取り出せるようになっている。いつでも出ていける。いつ叩き出されてもいいようになってる。

 くたくた(beat)なトランク一つで、ディーンは出て行く。叩き(beat)出されてディーンは出て行く。

 そのほか、書きたいことがあるような気がするが、きりがないので、これにておしまい。
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2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫|Amazonが確認した購入
デカいアメリカを車でひたすら突っ走る。

仲のいいやつと旅をすれば、それはまあ楽しいわけで、その中にアホが一人いれば、さらに趣きは増す。

そのアホがこの「オン・ザ・ロード」ではディーンである。

こんなぶっ飛んだやつと一緒にいれば、さぞや楽しいか、げんなりするのだろうと察するが、
文体には何か悲しげな雰囲気が立ちこめ、ただの祭りではないように感じられる。

ここらへんがホントの「ビート」なのだろう。まさにサンドバックのようにくたくたなのだ。

楽しいだけじゃ物足りない。そこに悲しさや儚さがブレンドされて深みを増す。

この小説には、ケルアックのそんなセンチな想いが込められているのだろうか。

ちなみにディーンを黒人でパンクな奴かと勝手に想像していたが、解説にある彼の写真をみて「人は見かけによらない」というテーゼを再確認した。
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4 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
国境の南 2010/10/2
形式:文庫
私の好きな本で、村上春樹の「国境の南、太陽の西」があります。ただ好きな本にかかわらず今まで「国境の南」という言葉のニュアンスが具体的につかめないでいました。
ですがこの「オン・ザ・ロード」の第四部のメキシコへの旅の描写で、国境の南に至るとはどういうことかというニュアンスがつかめた気がします。
この本の持つ限りない悲しみと愉しさと疾走感。
私の人生の中のかけがえのない一冊です。
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