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本書はケッチャム作品の中でも、もっとも苦痛が読者を直撃する1作ではないかと思う。緻密に組み立てられ、詳細に描かれる主人公の悲劇は、ページをめくるごとにこちらの身体に沁み込んでくるようで、読み進めるにつれて全身が重くなってくるようだ。
ケッチャムの小説を味わうときは、出来るだけベッドやソファーなど、体重をしっかり支えてくれるものと一緒の方がいい。重くなった身体が沈み込んでいっても大丈夫なように。
ハンサムな実業家アーサーと美しく魅力的なリディアの結婚は自然の成り行きと思われた。しかしアーサーは幼い頃母親に受けた仕打ちのため心を病んでいた。やがて二人の間に生まれた息子は成長するにつれ異常な行動をとりはじめる。原因がわからないリディアはなす術が無くおろおろするばかり。しかしあるとき真実を知ったリディアは息子を守る為ひとりで夫に立ち向かっていく。
事件が解決してもめでたしめでたしでは終わりません。それも後味の悪さの一因でしょう。でもくどいようですが、とにかく面白い!
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