ジャン・ジロドゥの代表作ともいえる戯曲です。水の精オンディーヌと、騎士ハンスの恋物語。劇団四季のストレートプレイでも上演されています。
バレエの「ジゼル」を思わせる森の奥が舞台となり、2人の恋が時に静謐に、時にドラマチックに描かれます。この恋も「ジゼル」と同様、一筋縄ではいきません。よく練られた舞台と台詞です。それに、最後の幕切れの台詞の見事さといったらありません。
訳も滑らかで読みやすく、堅苦しさは感じません(「要検討?」と思われる語が見受けられないことはないのですが、まぁ許容範囲内です)。従来の訳よりもオンディーヌがアクティブに描かれているようにも思います。題材のロマンチックさと、必ずしも売れるとは限らない地味な戯曲を新訳で出してくださったことにこの評価としたいと思います。