過疎化に悩む東北地方の寒村・牛穴村。この現状を打破しようと青年会が打ち出したのは、広告代理店と連携して村おこしをすること。しかし、手を組んだユニバーサル広告は、倒産寸前の弱小企業だった!!
本作が荻原浩氏のデビュー作になるわけだが、デビュー作から「らしい」と言う風に感じた。
わざとらしいわけじゃないんだけれども、ドタバタとした雰囲気などで、読んでいておかしさがこみ上げてくる。そして、読了後には、温かい気分になってホッとできる。荻原作品の王道とも言えるパターンは、最初から出来あがっていたのだなぁ…というのがまず最初に感じたことである。
本作の場合、とにかく村の人々と、ユニバーサル企画の人々を始めとした東京の人々のギャップが面白い。山奥の秘境とも言える村で、都会のことについて全く無知な村の人々。しかも、凄い訛で全く話すら通用しない。一方のユニバーサル企画の面々も、一体、どこの生まれなんだ、と言うような社長の石井やら、徹底的にマイペースな村崎などやっぱりクセモノ揃い。そして、企画した村おこし案も…。
終盤、ユニバーサル企画の面々の影が薄くなってみたり、中盤で出てきた女子アナが突如重要な役割になってみたりしていて、少し粗いな…と感じた部分はある。けれども、荻原作品らしさ溢れるデビュー作だと思う。