エリザベス女王の寵愛を受けた貴公子オルランド(原作ではオーランドー)が、「老いてはならぬ」と言われたために不老の身となり。原作では1920年代まで、映画では1990年代?まで、悩みつつも前向きに「人生」とは、「愛」とは何かを探し求める物語です。
(レンタルの)ビデオのパッケージ+主人公オルランドをティルダ・スウィントンが男装して演じているということで、ちょっと官能歴史ロマンかと疑ってしまいそうですが、全くそんなことはありません。
主人公オルランドの気質か(顔は良いし、お馬鹿さんというわけでもないのでしょうが、ちょっと現実より斜め上を向いて生きています。タロット・カードの「愚者」っぽい)、大変淡々…というより、たんたかたん というリズムと雰囲気で物語が進みます。
文学や自然、途中女性に変化することでフェミニズムやジェンダーに対する視点も取り入れつつ(ただし、設定年代もあるので、「問題視」とまではいきません)、ティルダ・スウィントンの可愛さと、各時代の英国貴族の生活という画の美しさが堪能できます。(あんまり可愛くて、このティルダ・スウィントンが『エドワードII』のイザベラ王妃であるところのティルダ・スウィントンだと気付いた時にはひっくり返りました)
自分の人生の意味には悩むけれど、それ以外には無頓着な映画のオルランド。時代は目まぐるしく変わりますが、自然すぎて少々間延びを感じたり。
が、巡り巡って最終章、なんだかとても爽やかな気分になったのでした。
なお、ヴァージニア・ウルフの原作『オーランドー』の方は大変細やかにオルランドの心情?を描写しているので、少々癖のある文体ですが、こちらもオススメします。(個人的に、エンディングは映画、女性化した後のオーランドーの心情―ジェンダーへの考察を含め―は原作の方がより好きです)