飢餓問題を構造的に世界に訴えた『なぜ世界の半分は飢えるのか?』で一躍世界に名前を知られるようになったスーザン・ジョージ女史は、現在でもその基本的なスタンスはほとんど変わることはない。現在では、フランス発の地球規模の市民アクションである「ATTACK!」の副代表を務め、世界の「グローバル・ジャスティス・ムーヴメント(GJM)」(日本では「反グローバリズム運動」と訳されるが、誤解を多く含む言葉だと思う)の中心的な人物の一人。
本書は、これまで彼女が発言し、またまとめてきたものの集大成として、彼女の思考の集成となっている。世界が「グローバリゼーション」というなかなか判断することが容易ではない仕組みのなかに取り入れられ動かされている現実が、実際にどのようなものであるのか?ということを分かりやすく、そして具体的に分析・紹介・指摘する前半と、それにどのように立ち向かうことができるかを示す後半の組み合わせは、今の世界に首を傾ける多くの人の良き道程となるに違いない。
「もし……ならば、もうひとつの世界は可能だ!(Another world is possible! If...)」というのが本書の原題。訳者の杉村昌昭氏が語っている通り、ネグリとハートの『<帝国>』とともに「アプローチと現状分析が違うだけで、それぞれ各自の"オルター・グローバリゼーション宣言"なんです」(『情況』2005年1-2合併号)。合わせて読んで考えてもらいたい一冊。