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今風にいえば、設定はサイバーパンク。ロンドンの書店で平積み、多面展開されている現実を目の当たりにすると、この本の人気の高さがうかがえます。英国で大変ウケがイイのは、かの国の現実を鑑みると、容易に想像が付きます。もちろん設定の面白さだけがこの本の魅力ではありません。ハードボイルドミステリーでもあり、サスペンス的興奮も充分にある複雑な筋立てで、読書人の心をくすぐる仕掛けも豊富です。
さまざまなエピソードが挿入されながら、それが時に展開のスピードを減速させたりもしますが、人間がしっかり描かれています。ただしキャラクターは錯綜します。遠い未来の人間がどうなっているのか、そして人間の本質とは何か?その答えがいろいろな顔をして、この小説には出てきます。プロットも人物描写も複雑です。それを解読し切ると、とても楽しめる一冊です。
そこで想像します。私も...遠い未来を...そしてしばし無言になります。「人が心に思うことを誰にも止められないけれど、人の本質は太古の昔からそれほど変わっていないんじゃないか?、そして遠い未来もそれを確認することは叶わないけれど、それほど変わらないんじゃないか?」そんな風に思います。
閉じた毎日と自己憐憫の沼地で時間を費やすか?羊水的環境を誰かに与えてもらいながら、世界の中心を自分の心の中においたわがままな日常を過ごすか?
胸襟を開いて、踏ん張って大切なことを「伝える」ためにコミュニケーション能力を高めるか?誤解、誤読、妄想、偏見、暴力に傷つけられながらも、挫けない強さを持ち、ひたすら汗をかく不断の努力を続けるか?確実にやってくる明日を楽しむために、しっかり前を見据えて歩き続けるか...。 ただし答えは簡単には与えてくれませんので、あしからず...。
内容は訳者も言うとおりハードボイルド!
構成も細やか、先の読みきれない流れ!
魅力的なキャラクター、タケシ・コヴァッチ!
私の大好きな一冊となりました。
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