「ベティ・ブルー」がお洒落さんのサウンドトラックとして定番化して久しいヤレド。そして意外にも寡作なテクノ/デジロックの雄であるアンダーワールドが一つになる。というだけで期待度は高いが、しかし一体何を期待すればいいのか?という(笑)。。。レバノン出身のヤレドに添ったアラビックな香り漂うものなのか?UWに添った開放的なダンス・ミュージックになるのか?
しかして、聴いてみれば何と・・・ブライアン・イーノのアンビエントの如き「空間での静謐な響きを求める」サウンド。。。うーん、こんなのは想像していなかった。UWにとっては初めてのチルだし、ヤレドにとっては初めての環境音楽。映画を一つの環境として考えれば、これほど見事な環境音楽は稀有だ。しかもこの環境音楽には物語があり、高揚感もある。特筆すべきは音の良さ。日本盤のみUWのダウンロード(とアナログ)用の新曲が収録されていて、物理的には日本でダミーマスタリングをしたはずだが、それでもいい音質をキープしている。マスターの音がよほど良かったのか?よほど神経を使ってダミーマスタリングをしたのか?
惜しむらくはアートワークがUWを内包するTomatoではないこと。とは言え、ブックレットの写真はUWを600万枚のメガヒットへと導いたダニー”トレインスポッティング”ボイルが撮影していて、「もしや再び?」を期待させる。
ダンス、ではなく、ゆったりと高揚させる1枚。これは単にサウンドトラックだから、というわけじゃなくて、緩やかなアゲを求める時代の音だと思う(し、思いたい)