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オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)
 
 

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫) [文庫]

米原 万里
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (57件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

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   ロシア語通訳の第一人者としても、またエッセイストとしても活躍している米原万理がはじめて書いた長編小説である。第13回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞した。

   1960年代のチェコ、プラハ。主人公で日本人留学生の小学生・弘世志摩が通うソビエト学校の舞踊教師オリガ・モリソヴナは、その卓越した舞踊技術だけでなく、なによりも歯に衣着せない鋭い舌鋒で名物教師として知られていた。大袈裟に誉めるのは罵倒の裏返しであり、けなすのは誉め言葉の代わりだった。その「反語法」と呼ばれる独特の言葉遣いで彼女は学校内で人気者だった。そんなオリガを志摩はいつも慕っていたが、やがて彼女の過去には深い謎が秘められているらしいと気づく。そして彼女と親しいフランス語教師、彼女たちを「お母さん」と呼ぶ転校生ジーナの存在もいわくありげだった。

   物語では、大人になった志摩が1992年ソ連崩壊直後のモスクワで、少女時代からずっと抱いていたそれらの疑問を解くべく、かつての同級生や関係者に会いながら、ついに真相にたどり着くまでがミステリータッチで描かれている。話が進むにつれて明らかにされていくのは、ひとりの天才ダンサーの数奇な運命だけではない。ソ連という国家の為政者たちの奇妙で残酷な人間性、そして彼らによって形作られたこれまた奇妙で残酷なソ連現代史、そしてその歴史の影で犠牲となった民衆の悲劇などが次々に明らかにされていく。

   物語の内容や手法からすれば、この作品は大宅壮一ノンフィクション賞作品『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』の姉妹版であるといえる。しかし読み終わったあと、ときにフィクションのほうがノンフィクションよりも多くの真実を語ることができる、ということに気付くに違いない。(文月 達) --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

商品の説明

第13回(2003年) Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞

登録情報

  • 文庫: 536ページ
  • 出版社: 集英社 (2005/10/20)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087478750
  • ISBN-13: 978-4087478754
  • 発売日: 2005/10/20
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.8 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (57件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
84 人中、82人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By tkflash
形式:文庫
米原万里さんの唯一の長編小説である。米原さんが書くものはほとんどがエッセイなので、最初は面喰ったのだが、読み始めたら最後、もう仕事をしてようが食事をしてようが、トイレに行こうが寝てようが、続きが気になって気になって仕方がないくらいの本だった。“米原さんの本の中で”という形容ではなく、“これまで読んだ全ての本の中で”一番面白かったと言っても過言ではないくらいだ。

60年代に通っていたプラハのソビエト学校で出会った踊りの先生の謎を解きに、ソ連崩壊直後の90年代にロシアに赴き、旧友との再会、新たな出会いを通して1930年代当時の謎を解いていく。スターリン統制時代の旧ソ連に於ける、残虐な粛清が次々と明かされて行く。謎が謎を呼び、その謎を追いながら物語が展開していく、いわば「謎解き」ストーリーだ。僕はその時代背景を全く知らずして読んだのだが、それでも非常に分かり易く、もっともっと知りたいと思った。残酷で過酷な運命を生き抜いた人々の姿は、何とも言い難いほどに力強く、かつ悲しい。人が人に対して、ここまでやってしまうその時代とは、一体どんな時代だったのだろう・・・まるで平和ボケしている僕には想像を絶する世界だった。“フィクションはノンフィクションよりも多くの真実を語ることができる”という言葉に納得した。

何度も読み返しているが、結末を知っていようとも、米原さんの文体は何度読んでも「おンもしろいっ!」と感じることが出来る。こんなに面白い本に出合ったことはない。
このレビューは参考になりましたか?
43 人中、41人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
主人公少女時代に通っていたプラハの学校の踊りの先生だったオリガ・モリソヴナの謎を解いていくミステリーで、文句なしに面白いです。最初はただ面白く読んでいましたが、だんだんオリガの過去が明かされていくうちに、ソ連の行った残忍な粛正の恐ろしさに話は及び、共産主義とはなんだったのかと言う事に興味がわきました。そしてそんな恐ろしい状況の中でも人は強く生きられると言う事に感動しました。題名がわかりにくくて手に取りにくい本だとは思いますが、多くの人に読んでもらいたいです。
このレビューは参考になりましたか?
14 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By raywayne トップ500レビュアー
形式:文庫
上に書いたのは、本文中でオリガが発するセリフです。 反語法って、言語学にまつわる話なのかな?とか予想していたら、思っていることとまったく反対の意味の皮肉を込めた、罵詈雑言のことでした。 本を読めばすぐ分かりますが、人間というものの本質にまでも迫る秀逸なタイトルだと思います。

現代日本社会に生きている私たちにとって、この本に書かれている内容はショッキングです。過酷な時代を生き延びていくためにオリガが身につけた反語法−それがユーモラスかつ美しいものにまでなって私たちの心に響いてくるところに米原さんの筆力を感じさせられました。ただ、小説としては、関係者たちの証言が間接的にえんえんと続く部分が多く、すでに“嘘つきアーニャの真っ赤な真実”を読んでしまっている読者にとっては、やや臨場感が薄い事は否めない気がします。 “アーニャ”の場合、すべて米原さん自らが、当事者たちの口から証言を聞きだしていたのですから。 これを小説デビュー作として、さらに2作、3作、とすごいものを発表していただきたかったのですが、突然のご逝去によりかなわぬ夢となってしまいました。 こんな骨太な作品は昨今少ないだけに、日本小説界にとって大変な損失です。
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本当に素晴らしい小説
 こんな素晴らしい小説を久しぶりに読みました。
 作者に、ただ「ありがとう」という言葉しかありません。... 続きを読む
投稿日: 1か月前 投稿者: アマゾン三郎
こんなにも面白い小説はそうそうない!
ソ連崩壊前のプラハに居た日本人という稀有な経験と、並々ならぬ文章力を持った米原先生にしか書けない小説です。... 続きを読む
投稿日: 1か月前 投稿者: マツ
スターリン下のソ連の不可解を謎解き
タイトルから内容は、全く想像できない。... 続きを読む
投稿日: 1か月前 投稿者: 読書散歩
小児科医杉原のおススメ
傑作だと思います。午前2時まで一気に読んでしまい、翌日寝不足になりました。... 続きを読む
投稿日: 5か月前 投稿者: ksugihara
強引さを感じさせない生き生きとした人物描写
チェコのソ連大使館付属学校で出会った印象的な高齢のダンス教師の人生を追いかけるストーリー。実在した教師像に、その前半生のフィクションを重ね、ロシア・東欧の現代史が... 続きを読む
投稿日: 5か月前 投稿者: hp
読み手を引き込む圧倒感
米原さん特有の小気味よいリズムの文章、深い洞察力と活きた現代東欧史が、
すばらしい筋の小説に全部生きている、圧巻の小説でした。... 続きを読む
投稿日: 9か月前 投稿者: コッチ5
感動の巨編
家内に勧められて読みました。... 続きを読む
投稿日: 14か月前 投稿者: 中年A
超大作!
この時代のソビエトや東欧世界についてよく知らなかったが、
詳細な描写ですぐにどっぷり世界にはまりこむことができた。... 続きを読む
投稿日: 15か月前 投稿者: やるせな医
拍手!
... 続きを読む
投稿日: 17か月前 投稿者: 魏
ラーゲリに八年
面白かったですけど…
オリガのキャラクターが面白すぎて、もっと読んでいたかったのに、思ったより出番少なかったなあ、と…。... 続きを読む
投稿日: 20か月前 投稿者: しおゆい
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