この本の内容については、巻末に掲載されている「訳者あとがき」の文章がよく表わしていると思われるので引用する。
「本書は一般の読者のために近東の神話や宗教を包括的に、概説的に取り扱っているものではない。」
「ジョン・グレイ(※著者)が関心を持ち、心魅かれるのは神話の歴史的、物語的記述ではなく、その構造主義的分析であり、アプローチである。」
「読者が本書に興味深い神々の物語やその末裔ともいうべき英雄伝説の類を期待するならば、その期待は完全に裏切られるであろう。」
以上、本書は学術書に近く、神話そのものを知りたいと思っているのなら、別の書籍を選んだ方がよいだろう。また、ある程度、オリエント関連の神話を知った上で、その相互間の影響や関連性を知りたいと思っている人には有益であると思われる。
なお、本書は、旧約聖書の内容を知っていることを前提として記載されているので、知らずに読めば、さらにチンプンカンプンの内容となるであろう。