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28 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
この現代風ポワロ作品には、色々な意味で疑問あり,
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レビュー対象商品: オリエント急行殺人事件~死の片道切符~ [DVD] (DVD)
私は、クリスティー物には何にでも食い付くコアなクリスティー・ファンを自認しているので、そういう意味では、この作品には不満はないのだが、内容的には、言いたいことが幾つもある。 まず、このアメリカ製テレビ・ドラマは、ポワロ物の現代化をうたい文句にしているのだが、ポワロやマープルのような特別なキャラは、古き良き時代の情景描写と一体となってファンに愛されているのであって、そんなポワロがパソコンをいじるシーンなどを見せられると、どうしても、違和感が先に立ってしまうのだ。クリスティー物の現代化を、必ずしも、否定する気はないのだが、それは、「忘られぬ死」のような、ノン・ポワロ、ノン・マープル物の世界だけに留め置いてほしい。 ポワロ役のアルフレッド・モリナも、完全なミス・キャストだろう。彼が演じるポワロには、全く愛嬌や面白味がなく、古くは、アルバート・フィニーやピーター・ユスティノフ、新しくは、現在進行形のデビッド・スーシェらが演じるところの、それぞれの個性溢れる愛すべきポワロ像が、全く伝わってこないのだ。たしかに、歴代のポワロ役が、パソコンを扱う姿など、想像もできないのは事実であり、現代的な設定に見合ったポワロ役を選んだ結果が彼なのだとしたら、やはり、そうした設定自体に無理があったということだろう。 あの有名な事件現場のロケ地の安直な選択にも、首を傾げざるをえない。「そこいらの近場でのロケで、安上がりに仕上げました」といった裏事情が見え見えの事件現場は、映画版の原作に忠実な荒涼とした大雪原と比べると、あまりにも貧弱で、オリエント急行沿線の風情は全くなく、見ていて興醒めするほどなのだ。どこで撮影するにしても、いかにもそれらしい雰囲気を出すくらいの配慮はしてほしいものだ。 一般のミステリ・ファンには、EMI製作の、豪華で充実した内容の、映画版「オリエント急行殺人事件」の方をお勧めしたい。
13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
待ち焦がれた初DVD化! TV放映時の日本語吹替音声収録にも感激です。,
By 海帆紺瞳 (奈良県奈良市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: オリエント急行殺人事件 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD] (DVD)
クリスティの『オリエント急行殺人事件』を、あのシドニー・ルメットがオールスター・キャストで映画化する――公開当時、それを聞いただけでも大きく期待が膨らんだのを覚えています。文字通りのオールスター・キャストを「金に飽かして集めた有名俳優陣の醸し出す当然のような豪華さ」のように評する声も聞きましたが、私は「顔も名前も知っている芸達者な俳優さんばかりが出演している安堵感」のようなものを単純に覚えて、余計なことを考えず作品そのものの世界にどっぷりと浸ることの出来る贅沢さが気に入っています。今回、当初の発表では「英語」音声のみの収録であったものに、新たに「TV放映時の日本語吹替音声」が収録されたことには非常な感激を覚えました。思わず、あの淀川長治さんの「心の贅沢、教養の深さの贅沢、これがまた良いんですねぇ、粋なんですねぇ」――といった解説が、その口調まで鮮やかに甦るような錯覚にさえ捉われました。(出来れば映像特典として収録して欲しかった位です) ただ、音源の現存しない部分が新規録音されていることに関しては、微妙な違和感と戸惑いを覚えました。相当な年数が経過してからの不足部分の新録音に、前回と全く同じ顔ぶれが再集合するのは不可能と思われますし、どんなに良く似た声で演技の巧みな方が演じられても、どうしても木に竹を接いだような不自然さが残ります。矢張り、音源の無い部分は無いままで原語+字幕処理――という従来の方式が良いのではないか、むしろ、CMを抜いて再生出来る機能があるように、日本語音声の無い部分を抜いての再生も出来る方向での対応を考慮して戴けないものだろうか……そんな感想を持ちました。尤も、今回の場合は、音源が残っている筈の箇所も幾つか部分的に新録されていましたので、もしかすると音源そのものの劣化が進行していて、必要に迫られての追加録音であったのかも知れませんけれども……。
31 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
EMIクリスティー作品中一番の傑作の、待ちに待った初DVD化作品。特典映像も充実!,
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レビュー対象商品: オリエント急行殺人事件 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD] (DVD)
1974年から1982年にかけ、EMIがクリスティーの4作品を映画化したのだが、そのうちの3作品が2000年にはDVD化される中、どういうわけか、それらの中でも一番の傑作という強い印象のあったこの「オリエント急行殺人事件」だけが、いつまで経ってもDVD化されず、クリスティー・ファンをやきもきさせてきた。どうやら、それには版権の問題があったようで、今回、3作品とは別会社から、ようやく待望のDVD化が実現した。クリスティー・ファンにとっては、嬉しい限りだ。 奇しくも、時を同じくして、このDVDの発売1か月前に、アメリカ製テレビ・ドラマ「オリエント急行殺人事件」がDVD化されており、私は、一足早く、そちらの方を観ていたため、今回は、両者を比較しながらの視聴となった。外国物は、テレビ・ドラマといえども、軽く見ることはできず、イギリス製のポワロやミス・マープル物などは、テレビ・ドラマの域を完全に超えており、映画より出来が良いのだが、この作品については、あらゆる点で、完全に、この映画版の方の出来が上回っていた。 この映画は、自作品の商業主義的な映画化作品を嫌っていた生前のクリスティーが、「原作に忠実ならば」と許可を出しただけあって、前記テレビ版より40分も長い128分を掛け、じっくりと、丹念に描いているのだが、これだけの作品にはこれくらいの時間は必要であると納得できる内容であり、真相の解明場面での映画ならではの緊迫感溢れる描写とラストの粋な演出は、意外にあっけない原作をも上回っている。 また、これまでの3作品は、特典映像がないに等しかったのだが、この作品は、特典映像も充実しており、特に「メイキング」が見どころ満載で、正味48分にわたって、たっぷりと、興味深い映画の裏話が語られている。ちなみに、ポワロ役のあのアルバート・フィニーの出演時の年齢を聞いて、あなたは信じられるだろうか?
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