このアルバムは駄作だろう。
ポップな曲も少ない。
『ペット・サウンズ』の頃の
ブライアン・ウィルソンはいない。
が、★は5つあげる。
ただ1曲のために。
暗黒の2浪時代、たまたまラジオを録音していた
カセットテープをかけると、
ある1曲が流れてきた。
もの悲しくも優しいメロディに心を奪われた。
曲名とアーティスト名を聞こうとしたら、
カセットテープを巻き戻したが、
DJは曲の始めに紹介していない、
おまけにカセットテープは次の曲の途中で終わっていた。
曲名もアーティス名もわからない。
浪人時代は我慢したが、晴れて大学生になってから、
俺のこの曲の名前とアーティスト名を探す旅が始まった。
レコード屋でメロディを歌い、
CDショップでも歌ったがわからなかった。
大学時代に、フランク・ザッパとキャプテン・ビーフハートの
音の洪水で溺れているときに、
なぜかビーチ・ボーイズではないかとひらめいた。
それから、ビーチ・ボーイズのCDを買いまっくたが、発見できず!
またもや遭難。
しかし、ビーチボーイズを調べてみると、
彼らのレーベルであるブラザーレコードから
まだ発売されていないアルバムがあった。
いざ!中古レコード屋へ。
CDで持ってないビーチボーイズのLPレコードはもちろん
シングルレコードを探し出し、1曲ずつ視聴。
その時が来た!
いまはもうない梅田の狭苦しい中古レコード店で発見したときは
涙がでそうだった。
「Only With You」
この曲はビーチ・ボーイズの隠れた名曲のひとつだ。
本当に俺からずっと隠れてやがった。
デニス・ウィルソンが当時の嫁さんに捧げた歌らしい。
リード・ボーカルのカール・ウィルソンの切ない声がいい。
メロディもいいし、詞もいい。