近代とは、ヨーロッパなどの先進ヘゲモニー勢力と、それに従属させられた地域との構成する世界システムであると考えるならば、それを開拓し、確立したものは、間違いなくオランダ東インド会社である。のちに世界的規模で完成させたのはイギリスであるが、その萌芽はここに見出される。
本書はオランダの先史時代から始まり、スペインからの独立戦争、東インド会社の成立、対日貿易、東アジア経営を豊富な史料と透徹した観点から巧みに描き出す。その指し示す構図は間違いなく資本主義的原理に貫かれる近代世界の螺旋的な成立である。
近代というのは、空間的概念と地理的概念を横断する複合的なシステムである。ダイナミックな物語性に富む歴史叙述は、近代という時代を論じる上で我々に必要な視座を与える。