〜オホーツク文化は謎に満ちた古代文化〜
北方諸民族の実像に迫る本書。ほとんど知られていない『オホーツクの古代史』を解きほぐす。
北海道の北東部、千島列島、サハリン、カムチャツカ半島などに囲まれた環オホーツク海地域。紀元3世紀から13世紀頃まで、豊饒の海からもたらされる恵みを糧とし、大陸との交流・交易を活発におこなう人々が存在した。「流鬼国」「夜叉国」〜謎に満ちた「環オホーツク海」その古代文化の輪郭を本書は初めて描いた。
著者は北海道大学文学部名誉教授。97年北方文化の研究で濱田青陵賞の受賞者。これまで一般には知られていない古代北方文化を紹介している。
この領域を統治した国としては、古代中国の歴史書に「流鬼国」「夜叉国」という国があったとされるが、どこにあったかを第1章〜第5章にわたって逐次検証している。
現存文字史料は非常に乏しく、考古学や民族誌の資料にもとづいて、諸学説をふまえながら丹念に考察推理している。農耕に基づくエネルギー生産の発展段階や国家形成を基準にする歴史学からは漏れてきたものを独自の視点で探求していて、注目される。