金融業界で成功し、副社長まで上り詰めて、元同僚社員と結婚し、パサデナあたりで裕福な暮らしをする男。
まさにアメリカンドリームを地でいくような役だが、よくある「遊び人」ではなく「ド真面目」な男として
描いているから、本作は面白い。誘惑された時のイドリス・エルバの心地悪そうな芝居は絶品だ。
妻役のビヨンセは、知らない人が観れば、安定感漂うベテラン女優と思うくらいの芝居を見せた。
結婚前は、キャリアウーマンとして、LAダウンタウンで颯爽と働いていたが、今の頼りは夫と可愛い子供。
そんな中で、夫に裏切られたと感じた時の動揺は、演技と思えぬリアリティだった。
この幸せな家庭を壊しに来る「ウルトラストーカー」役のアリ・ラーターが抜群にいい。
ラストのビヨンセとのバトルシーンは、やはり普段「バイオハザード」で「クレア」を演じているアリの方が強そうだ(笑)。
クレア役とは全然違うセクシー&クール、そして凶暴さは、この作品を一層際立たせた。
「オブセッション=妄想」という題名(原題もほぼ同じ)は、アリの心情を捉えたタイトルだしね。
また、HDで観るLAダウンタウンの人工的美しさも、このダークなサスペンス醸成に大きく寄与したと思う。
全体的に抑えた「青系」のトーンも、ブルーレイならではの映え方だ。
特典映像もオールHD収録で、メイキング&インタビューや、女優同士のバトルシーンの裏側を
観ることができる。その中でも、細かな衣装の紹介は特に興味深かった。
星は4つです。