中国の若者に日本発のサブカルチャーが強烈に浸透しているのは周知の事実だが、ライトノベルの涼宮ハルヒが大人気!などと聞くとさすがに少し驚いた。追いつくの、はやっ(笑)。
この本、結果的に中国の学生ライフのリアルを伝えることに成功している。小中高校と、部活なし、校内恋愛は絶対厳禁、学校では勉強ばっかり、家に帰ったら親の監視のもとで、また勉強。少なくとも大学に行くような中国人はみんなそんな環境なんだそうである。マジ可哀想。
「部活が存在しない国」である中国人には「部活の全国大会」というのがどうしてもリアルに想像できないらしい。ドラゴンボールの「天下一武道大会」みたいな「作劇上のフィクション」と思われているらしい。(誰かヤツラを甲子園に連れて行ってやれ!)
まして「生徒どうしの恋愛」など、厳禁である。「不純」「勉強の妨げ」と親と教師と社会が寄ってたかってガチガチに抑圧してくる。日本の少女マンガ作品のほとんどは、まるっきり成立不能な学校生活環境なのだ。
そんな環境で受験勉強ばっかりさせられては、子どもはたまったものではない。そこで、ネットを介して中国に到来した日本発アニメやゲームが(もちろんほとんどが違法コピーだったのだが)、索漠たる勉強漬けの毎日のかけがえのない「癒し」として彼らの心を鷲掴みにしたのだ。パソコンに向かっていれば、「親の目を盗んで」アニメなどを見ることができたのである。中国人オタクの多くは、そうやって誕生した。
「現代中国オタク事情」が分かる、貴重な本。
中国の若者のリアルな「今」を知るのに、非常に役に立ちます。
でも、日本のオタク文化に素養がある人であれば、大笑いできること請け合い。
そういうふうに読むのが、むしろ正しい読み方かもしれません。