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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
オズシリーズの隠れた傑作,
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レビュー対象商品: オズのエメラルドの都 (ハヤカワ文庫 NV 126) (文庫)
この本はオズシリーズ第6冊目の隠れた傑作といえるでしょう。今回ドロシーは貧乏でカンザスの家を手放さなければならなくなったヘンリーおじさん・エムおばさんをなんとオズの国へ移住させてしまいます。その頃オズの国では悪のノーム王がオズ征服を目指作戦を練っています。この二つのエピソードが最後にうまく絡み合い、最後はオズの国も征服されることなく平和的に問題も解決されるというお話です。子供向けのお話とはいえ、鋭い観察力の持ち主の作者ボームは当時のアメリカ農民の状況を鮮明に描いていています。本が書かれた時の農民は、農場を購入したり、経営規模を拡大する場合に借金をしなければならず、高利の金を抵当金融会社から借りなければいけませんでした。負債者である農民は農産物価格の下落や不作による収入の減少などが生じると、まさにヘンリーおじさんのように、抵当にいれた農場を失う危険に直面しました。ボームは人民党とも言われており、農民の立場になって、当時の社会の状況を風刺していたのかもしれません。 話の最後ではノーム王率いる同盟軍とドロシー達の戦いになるのかと思いきや、やはり争いが嫌いで平和主義者なボームは無血で戦いを終わらせます。驚いたことにボームは最終章でこれでオズシリーズを終えると宣言しています。しかし大人気だったため、三年後に7作目を出版しました。今回も風変わりな仲間が多数登場して、楽しい作品です。子供も大人も一読する価値はあるでしょう。
2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
アメリカの不景気と生体兵器に監視社会と、現代的な難問に取り組んだ意欲作……ではない。,
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レビュー対象商品: オズのエメラルドの都 (ハヤカワ文庫 NV 126) (文庫)
オズの魔法使い、原作では第六弾だけれど、邦訳では第四弾。不況期のアメリカにいるドロシーのおじさんおばさんが、不作続きの農場を銀行にとられそうになったので、現実世界を捨ててドロシーと一緒にオズの国に引っ越してきて、仲間たちとひねもすオズの国観光三昧。一方、魔法のベルトを取られたノームたちは、邪悪な同盟軍を集めて、砂漠にトンネルを掘ってオズの国侵略をはかりますが……オズの国対侵略軍の戦いは、オズの国側が恐怖の生体改造化学兵器を無批判に使用し、ほんの数ページで終わってしまい、ちょっとがっかり。その兵器は、一見無邪気ながら、人権を無視したロボトミーに等しい残酷なものであると同時に、ピンカーの批判するブランクスレート説に基づくものであり、ボームの時代的な限界があらわれている。一方でよい魔女グリンダは国内のあらゆる事件を監視できる遠隔監視装置を持っていることが明らかとなり、善意の監視とプライバシーの両立というきわめて現代的な課題にも触れられていることには驚かされる。 が、マジメに言えば、何か切実な目的のために旅する中で仲間が増える、という形式が崩れている。新しいキャラは増えるものの、特に何か活躍の場があるでもなく、単にあいさつしてそれで退場、というのの繰り返しとなり、意外なモノが意外なところで力を発揮することでみんなで何かを達成する、というオズシリーズの魅力に乏しい巻となっている。
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