1冊きり、と言うことで、実際読む人の楽しみを奪わないように、内容については極力触れないようにしておきます。
なので抽象的なレビューになりますが、共感できる部分があるように感じた方は是非、本作を読んでみてください。
ちょっと空いた時間に気軽に読める、柔らかい作品が欲しいと言う人には特にお勧め。
全体として、明るすぎず、暗すぎず、ふんわりとしたファンタジーな作品です。
絵本に近いような印象を受けました(一枚絵が中心とかそういう構造の意味ではなく、全体の雰囲気として)。
とある事情から、今までに数千冊の漫画を読んでいますが、その中でも、読んでいる間の安心度はトップクラスでした。
私は、何十巻も続くより、1冊きりとか、2〜3冊で完結している物の方がむしろ読みやすくて好き、と言うタイプで、
最近特にそういうものばかり大量に買い集めているのですが、その中でも特に当たりだと感じた作品でした。
タイトルやカバーの紹介文から解るように、魔女と案山子(かかし)のお話なのですが、案山子が案山子である必要性がちゃんと通っていて、
ベタな王道展開(良い意味で。ドロドロ迷走を続けるよりずっと好き!)にも関わらず、この作品ならではの個性がちゃんと立っています。
折角、設定がしっかりしているので続きを読みたいなとも思いますが、不必要に長引かせて薄っぺらくなってしまう作品は現行でも沢山ありますし、
長ければ良いと言うものではないので、良い状態のままの1冊でむしろ幸運だったのかもしれません。
そもそもが読み切り1つの筈だった作品が、続きを書かせて貰えてコミック化までされた、と言うことらしいので、
やはり光るものを感じて、もう少し読んでみたいな、と思う方が多かったのでしょう。
もっと「ここが良い!」的なレビューを書きたいのですが(好きなシーンが実際、沢山あったので)、
こういう1冊きりのもので1カ所ネタバレをすると、それだけで楽しみが1つ減ってしまうので、書きたいですが書けず心苦しいです。
綿密に作り込まれた壮大な作品、と言うのもそれはそれで凄いのですが、この作品のような短い中にちょっとした幸せを閉じ込めることができるのも、
全く違った素晴らしい方向性だと思いますし、私個人としては、当たり作品に出会えたと言うちょっとした幸せを貰えた良い作品でした。