この世はまだまだ謎だらけの世界だと、改めて思い知らされた本。
痴呆症の老人患者が入院するホスピスでのお話。
ホスピスで飼っている猫のオスカーは人に懐くことはないが、死が迫った患者を察知して死ぬまで一緒に添い寝をする。
明らかに末期癌症状の患者はもとより、医師でさえ突然の死を見抜くことができなかった患者の元へもオスカーは寄り添う。
不思議な猫オスカーを中心に描かれる出来事は、人権への配慮から名前や設定を変えてあってもほとんど事実とのこと。
実際の筆者とオスカーの写真を織り交ぜて、オスカーにまつわる人々の物語が紡がれている。
大きな感動ではないが、心がじんわりと温まる内容だ。
私も猫をずっと飼っているが、猫には神秘的なところがある。
科学の進歩によって、人間はすべてを知ることができる!といった傲慢な錯覚をしがちだが、この世の生命は人知を超えて美しい。
一匹の猫、オスカーがそのことを教えてくれる。