「オシム番記者による『オシム追っかけ記録』からの書き下ろし」と言ったところです。ジェフ市原(現 千葉)監督〜日本代表監督としてのオシム氏の立ち振る舞いを復習する上では面白く読めました。本書の未公開語録は楽しみましたし、日本代表監督としてどう考えているかを再確認もできました。特に「提言」や「独占インタビュー」のところ。代表選手を選考する際、どこを重要視しているか、という辺りなどは、(サッカーに限らず)部下を持つ管理職にも参考になるところがあります。「riskの冒し方」は、研究活動でも通じる処があります。
しかしながら「オシム氏に関する既刊本(※)以上の内容か?」と言われると...と考えると難しいところです。新書で数時間で読めてしまうので、(読み易さと引き換えに)やや物足りない感じも否めず。(※)で挙げた本の方の方がインパクトが強かった/哲学的に深かった印象があります。本書でこれらの本で語られたオシム哲学にブレがないことは確認できたのは良かったですが。
ともあれ、本書のような内容が日本のメディア/サポーターの常識となってほしいですね。そうすれば、(過去〜現在〜未来を分析することなく)目先の結果だけで一喜一憂する日本人に有り勝ちな気質("phenomenalism")から脱却できることでしょう。(だいぶ浸透しつつありますが...)
(※)「オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える」(木村 元彦)、「オシムが語る」(シュテファン・シェンナッハ)