「売れないアイドル」を引退した主人公雪乃。
故郷に帰るも、周囲の奇異の目に晒されたことで学校を辞め、
見習いマネージャーとして芸能界の仕事に戻り、貧乏生活の中で
偶然であった節子という魅力的な女性に惹かれ関係を深めてゆく、という話です。
他の方もレビューで説明されているので詳しいストーリーは割愛しますが、
「希望が描けず、世間との距離に悩み、そんな状況から自分を救ってくれる
いい人がいれば何もかも上手くいくのに、みたいな他力本願な欲求」と、
「そうは言っても変な妥協をしたいわけではなく嫌なものは嫌、でも
どうしたらいいか分からない」という、この年の女の子の持つ揺れる心情を、
日常的な生活感から描いている点がとても印象的でした。
希望が持てず途方にくれる雪乃の前に現れた、なんとなく似たような境遇を持ち
共感できる節子。そしてその節子と瓜二つの弟。
題名のオクターヴが暗示するのは、同じ境遇、同じ指向を持つ二人、という同質性なのか、
それとも、同じ音なのに交わることのない音階にいる、という乖離性なのか。
節子への気持ちが、結局は憧れや一時の逃避で終わるのか、それとも、
本当の愛情として物語が進むのか。
今後の物語の進行によって、題名の「オクターヴ」が何を意図しているか
分かるのではないのか、と勝手に考えています。
今後も目が離せない作品だと思いました。