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物語のごく前段、主人公達が出てくるまでの情景、心理描写ともにすばらしく中世のヨーロッパの様子がよく描かれています。それに比較すると、後半部分の若ラモンの夢のエピソードの箇所などまどろっこしい感じもしますし主人公二人の行動とか心理描写に納得いかない部分も多々あります。逆にいうと「納得いかない」と思うくらいには入れ込んで読まされたとも言えます。
ごく簡単に言ってしまうとジラルダは「運命の女」なのでしょうか?どこがそこまで特にエドモンにとって魅力的なのかってところで私は引っかかってしまったのですが、それはジラルダ自身も後半で疑問を投げかけていますし、作者の意図のうちなのかもしれません。 現実の世界では私たちも傍から(つまり読者から)見ればとんでもないことを人間関係においてはしているのでしょうから。
フランスのこのあたりの歴史はまったく知らなかったのでとても新鮮でした。欲を言えばカタリ派の栄枯をもっと書いてほしかったです。読んでいる最中に気になって確認したらほぼ200年後にフィレンツェで異端の罪で火刑に処されるサボナローラもエドモンと同じドミニコ会出身でした。著者にはその時代のイタリアの舞台の作品も書いてほしいです。
文句ばかりつけているようですが、数日かけて楽しく通読しました。再読すると思います。レビューを書きたいと思わせる本でした。中世の歴史とかキリスト教の歴史に興味のある方には特にお薦めできます。
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