内容(「BOOK」データベースより)
バイエルン森国立公園の広い囲い地で飼育されたオオカミの繁殖行動、成長、社会行動、コミュニケーションなどを綿密に記載し、イタリアの山地に生息する野生オオカミの生態を報告するとともに、オオカミと人間の関わりあいの歴史をもドラマティックに描き、保護対策にも触れている。
レビュー
出版社からのコメントオオカミ研究の第一人者としてつとに名高い著者による本格書である。
その観察調査はドイツをはじめとしてイタリア、北アメリカ、東部・北部ヨーロッパと広域にわたっており、現代のオオカミ研究は本書を基に構築されていると言っても過言ではない。
本書では、バイエルン森国立公園の広い囲い地で飼育されたオオカミたちの性行動や子育て、社会行動、コミュニケーションなどが綿密に記載され、また世界各地に生息する野生オオカミの生態が克明に報告される。とりわけ、順位をめぐるダイナミズムはいきいきと描き出され、読みごたえがある。臭覚、視覚、聴覚、触覚など様ざまな方法によるオオカミの「ことば」についての研究は見事であり、瞠目に値する。遠吠えの考察は読者の予想をはるかに超え、じつに感動さえ呼び起こすだろう。本書にはまさにオオカミの全てがある。
またオオカミ迫害の歴史から、人間の生態までもが生々しく浮き彫りにされてくるのも興味深い。