本書を初めて手にしたときの印象は、「案外薄い本だな」というものだった。「大辞典」というからには、或る程度分厚いものなのだろうというイメージを勝手に持っていたのだ。当初あった期待感が少し薄らぎつつも、兎に角ページをめくってみた。
ところがその若干過剰なる期待は全然外れていなかったことがすぐさま明らかとなった。中には、オウマーにとってはなじみ深いであろう用語が所狭しと、また整然とならんでいて、内容は充実そのものである。
本書の特徴は、全ページにわたって、ひたすらオウマーの観点から解説が施してあるところにある。従って、ホーリーネームの由来などといった、専門性の高い分野についての記述には乏しい。しかし実は、この点は本書にとって寧ろプラスに働いているのである。
無論本書は、筋金入りのオウマーが読んでも十二分に楽しめる一冊であるのは否定のしようがない。しかし私は、特に初心オウマーにこの本をおすすめしたいと思う。なにしろ、上述の通り、小難しいことを抜きにして、ただただオウマーの立場に立脚して書かれてある。このことが、気軽に、且つ自然な形でオウマーの世界に入っていくことを可能ならしめているからである。
確かにこの書が一般受けするかというと、答えは「否」だろう。一部には、「不謹慎な」と憤慨なさる「良心派」もいらっしゃることと思う。しかし、本書が隠れた大人気書籍となるのは疑いない。それだけこの書は画期的で、魅力的なのである。