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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
家族の再生を目指して男が駆ける、怒涛の900頁。,
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レビュー対象商品: エージェント6(シックス)〈下〉 (新潮文庫) (文庫)
元KGB捜査官レオ・デミドフを主人公とする三部作の完結編。『チャイルド44 (新潮文庫)』、『グラーグ57 (新潮文庫)』と紡がれてきた、レオとその妻ライーサ、そして二人の養女ゾーヤとエレナの家族の物語がさらなる大きな展開を見せます。今回の物語は『チャイルド44』以前の1950年のレオとライーサの出会いから始まります。そしてライーサは『グラーグ57』を経た後の1965年に、NYの国連本部で開催される米ソの少年少女によるコンサートに引率者として娘二人も伴って出かけていくことになるのですが、その彼女を大きな悲劇が襲うのです。 レオはその悲劇の後始末を図るために、1980年のソ連侵攻後のアフガニスタンを経由してアメリカへと決死の亡命を図るのです。30年に渡る物語を900頁近い紙数を費やして描きますが、長尺であるとは全く感じさせません。むしろ頁を繰る手がもどかしい、久しぶりにページターナーといえる怒涛の冒険物語を読むことができた、そういう満足感に今わたしは浸って陶然としているのです。 暴力革命によって獲得した共産主義という金科玉条を、暴力によって堅持し続けるソビエト連邦。その社会における閉塞感はこれまでの『チャイルド44』と『グラーグ57』以上に強く感じられます。 その抑圧のもと、本来ならば軋みいく一方であるはずのレオの心も、妻と娘二人とのささやかな生活がなんとか支えてくれているのです。だからこそ、その心の支柱が折れたときに、壊れた家族の再生を目指して奔走するレオの姿には、心に重く迫るものがあるのです。 1980年時点で、そしてまた三部作で、終結してしまうのが大変惜しいと感じられます。 あとおよそ10年、ソビエト崩壊のときを迎える瞬間までのレオと家族の物語を読むことはかなえられないのでしょうか。 最後にぜひとも書きとめておきたいのは、翻訳者・田口俊樹氏の見事な訳文のことです。 私は氏がかつて翻訳したジェフリー・アーチャーの『獄中記―地獄篇』にいくつも誤記があることを7年前に指摘したことがあります。ですから氏の翻訳にはこれまでちょっとした抵抗があったのも事実です。 しかし、ここ数年のトム・ロブ・スミスの作品は氏の翻訳だからこそ十二分に楽しめたと、心底感じられるのです。 この本があたかも日本語でそもそも書かれたのではないかと思わせるような流れる文章に、心打たれました。
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
レオ、59歳 この過酷な幕切れは気に入らない、しかし...,
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レビュー対象商品: エージェント6(シックス)〈下〉 (新潮文庫) (文庫)
そこに至るまでの物語は今年最高級の冒険活劇物語だった!アフガンでの綿密に練られた二転三転するプロットの妙、艱難辛苦の果てにたどり着いた 国境でのサプライズな追っ手との闘い、そして、<その手で行くのか!?>ッー <最終目的地>へのウルトラ・ワープ!(ある意味、”歴史を裏で作った男”物語) 上述した様に、約870ページ、レオに思いっきり肩入れしながら読み進めた身には、ラストは過酷過ぎる様に 思えてとても気に入らない。だが、結局、過酷さに身を置く事で、この男、レオは望む物全てを手に入れた。 それは、妻に係わる陰謀の真相、<新旧>愛する物すべての安全。 結局、最高の結果だった訳か... とにかくジックリ時間作って読んでください。電車の中で読み飛ばしてしまうには、非常に勿体無い 極上ストーリーで、第一作の「チャイルド44」を遥かに上回る出来と私は思っています。 第一作、第二作 未読の読者が、この「エージェント6」の後に先の二作を読まれたら、それはそれは 至福の時が過ごせると思います。うらやましい...
6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
強さも弱さも含めてレオが非常にレオらしい作品でした,
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レビュー対象商品: エージェント6(シックス)〈下〉 (新潮文庫) (文庫)
エージェント6、下巻です。上下巻通しての感想でいえば、この作品は非常によく出来た作品でした。 (どうしても多少ネタバレになりますのでご注意) 物語冒頭の仕掛けが過去から始まることで、今までの二作品「チャイルド44」「グラーグ57」をもう一度読み返そうという気になったし、そこでのあれこれがキッチリとこの作品に引き継がれているのは見事です。 また、そうした長い長い作品の中であるにも関わらず、主人公のレオという人間が色々な意味で最後までぶれずに(超人的な精神の強さも逆にアンバランスなほどの依存性の高さや弱さも)あいかわらずのレオのままで、最後まで感情移入できたことも良かったです。今回は、前作以上にエンタメ要素が強く、ソビエトの中心から、アフガニスタンの戦地を経由しての、アメリカニューヨークの国連ビルまでのワールドワイドな物語展開があったので、普通であればそれにあわせてキャラクターも多少はぶれそうなものなのに、それもなく、最後までレオはレオらしく、物語として破綻することなく進みました。普通なら、後半もっとストイックに強いキャラになるかスーパーマン化しそうなものを、生の、どちらかというと色々なものに対して弱い部分がある人間としての、素のレオのままで最後までいったのは作者の中にレオという人間が強く生きているからに他ならず、それが読み手にまで伝わってきました。 強いていえば、最後の最後の事件解決部でのカタルシスが今少し弱い気がしますが、それは瑕疵というほどの事もなく、読み終えたあとに、三部作全部の余韻に浸ることができました。
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5つ星のうち 5.0
惚れた。
大切に読み続けてきた3部作も、ついに終わってしまいました・・・。 ああ、そうか。 こういう結末を迎えたか。... 続きを読む
投稿日: 10日前 投稿者: スペシャル恵子
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