タイタニック号の生き残りという老夫婦の死を発端に、当時、警察官として事件に関わった主人公、ノーマン・ホール。彼は、この事件がもとで、警察を追われ、様々な職業を経て、現在はベストセラー作家として名をなしている。
ノーマンは妻とともに、タイタニック号の引き上げを描くドキュメント作品を依頼される。
沈没の1912年から、引き上げ計画の1962年、その間に起きた様々な歴史的な大事件。
ストーリーはアメリカの歴史を辿るかのように、大きなうねりを感じさせ、読者を謎のなかに巻き込んでいく。
長い歴史と、その闇のなかに沈んでいった、小さな少女の記憶がどう繋がっていくのか。
沈没という大事件。そのさなかに何が行われたのか。
世界に散ったタイタニックの生き残りたちの証言を求めて、ノーマンの旅が始まる。
地球上に散った証人を探しあてる過程、足跡を追うような誰かの影。
誰が悪なのか?
謀略を仕組んだのは誰なのか?
予想を次々と裏切られ、読者はノーマンと一緒に混乱し困惑する。
そして最後まで作者はその手を緩めないのである。ラストまで一気に持っていかれる。冒険とサスペンスと、なによりミステリとして一級品であることは間違いない。
こういう埋もれた名作が今回復刊されて日の目を見たことは、本当に喜ばしいことです。