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エヴァンスを聴け!
 
 

エヴァンスを聴け! [単行本]

中山 康樹
5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

日本でも多くのファンを持つビル・エヴァンス。同様に、『聴け!』シリーズでファンの多い中山康樹をいっぺんに楽しめる一冊。ビル・エヴァンスの演奏が聴ける全181アルバムを徹底的に聴きエヴァンスの新しい聴き方を示してくれる究極の完全制覇本。

内容(「BOOK」データベースより)

ここに極まる!ビル・エヴァンスの新しい聴き方!181アルバム完全制覇。

登録情報

  • 単行本: 344ページ
  • 出版社: ロコモーションパブリッシング (2005/10/26)
  • ISBN-10: 4862120245
  • ISBN-13: 978-4862120243
  • 発売日: 2005/10/26
  • 商品の寸法: 18.6 x 12.8 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 305,427位 (本のベストセラーを見る)
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18 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
もう10年以上も前になるが「マイルスを聴け」で音楽批評家と登場した中山康樹のデビューは衝撃的だった。インテリぶったつまらないジャズ批評が溢れる中に、悪ふざけ一歩手前の文章でありながら、その根底にマイルス・デイビスと彼の創造した音楽に対する深い愛情をたたえた批評を展開したからである。「アートである、ブレーキーではない」と始まるカインドオブブルーの解説(初版)で読者を笑わせる一方、裏側にある深い洞察や愛情に裏打ちされた分析に息を飲ませたのはまぎれも無くこの人だった。

しかしながら、この本に関して言えば、「マイルスを聴け」の対極と言うほかは無い。つまり、本来自身が愛聴もしていないミュージシャンに対する評論を「とりあえず」展開したものに過ぎない。そこには深い洞察や愛情は見受けられず、リアリティーを出すために関係者から聞きだした裏話に想像(筆者曰く『推察』)を上乗せしたものが散見され、批評家としてエヴァンスとその作品に迫る瞬間は無いに等しい。例えば、You Must Believe In Spring の項に注目して欲しい。このアルバムが美しい曲と演奏が溢れるものであることに疑いは無いが、『エヴァンスにとって最後の到達点だったのだろうと思う』とは強引過ぎる結論ではないか。ましてや、『カインドオブブルー』を引き合いに出し、これがエヴァンスの最高傑作と持論を展開するくだりは、この本が「マイルス・デイビス最高です」という人間によって書かれたエヴァンスのエセ批評であることを自ら証明するものではないだろうか。

マイルスの音楽に対する姿勢とその作品を賛歌した人物が、物書きとしてこのような変化を遂げるのは興味深いと同時に悲しすぎるものがある。つねに新たな前進を求めたミュージシャンを信奉した批評家が、自分のヒットを離れることができず似たようなタイトルの本を書き続けるのは、志が堕ちたか自分が見えていないとしか言いようが無い。残念ながら、マイルス・フリークを公言して憚らない筆者の実態はチャック・マンジョーネだったようだ。

ビル・エバンスのファンを自認する方には決して薦めることの無い一冊である。
このレビューは参考になりましたか?
28 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
「ビルエバンスに関するいくつかの事柄」でエバンスの実像に肉迫したのが本書の著者中山康樹氏である。克明な資料調査とダイナミックな書き口に引き込まれる読み応えのある一冊だった。同氏は引き続いて発表した「ビルエバンス名盤物語」で30枚のエバンス作品を取り上げ、エバンスの実像を限りなくリンクさせながら、彼の音楽の本質に迫った。本作はあの「マイルスを聴け」の著者として有名な中山氏による、エバンス全181作品のガイドブックとなっている。取り上げた対象の違いによるのだろうか、「マイルス」のような軽妙洒脱さに欠け、よく言えば重厚な語り口で華麗な文体、悪く言えば堅苦しく読み進むと疲れを覚える。オールマイルスガイドとしてだけではなく、読み物としても面白かった「マイルス」はドンドン読み進める勢いの良さがあり、心地良い軽さが魅力だった。本作はドラマ性に欠け盛り上がりに乏しく、一気に読み終えることが出来なかった。やはりエバンスは彼の全作品というよりも厳選されたものだけのレビューで十分のような気がする。内容が専門的過ぎて音のイメージが湧いてこないのである。康樹氏にも「マイルス」時の輝きが感じられない。あの中山氏もついに煮詰まってしまったのだろうか?
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 菅章 トップ1000レビュアー
「マイルスを聴け!」「ディランを聴け!」「ビートルズを聴け!」など同一シリーズで音楽出版界のドル箱?となった音楽評論家の中山康樹氏であるが、この人は本来ジャズの人なのだと思う。いろいろな分野、ミュージシャンについてのエッセイを書けば書くほど、そのアウラは失われるのだが、それを恐れず書き続けられるのはある意味プロフェッショナルなのだろう。実はこの著者の他の本を読んでいないので、その点については、想像の域を出ないため、断言できないが、本書を一読すると、エヴァンスの現時点での全アルバムを聴きこみ、独自のレビューを書いている氏の向き合う姿勢は大したものだと思う。単なる売れ筋狙いというより、JAZZへの愛が十分感じられる。
さて、書かれた文章はというと、かなり具体的で作品に即している。美術批評でいえば、印象批評が多い中、作品そのものをしっかりと記述し、批評する作品批評という姿勢に相当する。自分の耳と言葉で、エヴァンスを渉猟することは、それだけでも膨大な時間とエネルギー、イマジネーションが要求されるに違いない。そして、あとがきに書いてあるように、「エヴァンスとはハードボイルドにして過激なピアニストであり、繊細でもあるが同時に大胆かつ挑戦的なアーティストだった」と僕も思う。さらに、本書の特徴は、リバーサイド4部作に収斂されがちな、エヴァンスの傑作を晩年のユー・マスト・ビリーブ・イン・スプリングに置いている点であろう。また、レコーディング時のエヴァンスのコンディションや背後についても触れているので、これまで漠然と抱いていたエヴァンス観が変更を迫られる場面も生じ、大変勉強になった。エヴァンスの多面的な才能や人間臭さも含め、今後エヴァンスを聴きこもうとする者にとって一つの指針となるであろう。しかし、中山氏と僕の意見の違いを言わせてもらうと、I will sey Goodbyeの方が、ユー・マスト・ビリーブ・イン・スプリングよりもいい出来ではないかと思う点である。ユー・マスト・・も確かにすばらしいが、耽美的に流されているように思うのだが、いかがであろうか。
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