本書は、現在の日本の労働時間問題を解説したものだ。長時間労働者が多いこと、国際比較、サービス残業の実態、ストレスとの関係、管理職等の労働時間問題、非正社員の労働時間、有給休暇の問題など、幅広く労働時間問題を取り上げている。著者が実施した調査データを多面的に集計、分析している。しかし決して難しくはない。ある程度の知識があればほとんど読みこなすことができ、執筆にはかなり工夫していると感じた。また、インタビュー事例の紹介や、労働時間に関するコラムも、本書の読みやすさに貢献しているといえる。
偏った考え方をしていれば異なるかもしれないが、少なくとも私は本書のように、日本の労働時間問題を中立的に見た良書には出会ったことがない。そう、著者が指摘するように、労働時間問題、特に長時間労働の問題は、関係するすべての人々が真剣に考え、取り組まなければならない重要な課題なのだ。