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29 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
Play the Game.,
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レビュー対象商品: エンダーのゲーム (ハヤカワ文庫 SF (746)) (文庫)
原題は"Ender's Game"。エンダーという名前は、アンドリューの別名だそうだが、当然「終わらせるもの」という含意も持っている。その「終わらせるもの」となることを大人たちに期待される一人の少年が、類まれな才能と痛々しい程の素直さの挟間で葛藤しながら成長していく、ある意味王道と言えば王道的ストーリー。「終わらせるもの」であるが故に、誰にも頼ることを許されないエンダー。その賢さ、素直さ故に、理不尽な障壁を突き付けられても、自らの義務を放棄することはできず、いろいろな意味で大人にならざるを得ないエンダーの姿は、「ゲーム」という表現からは最も遠いものかもしれない。しかしその一方で、確かに物語はエンダーの出会う様々な「ゲーム」を中心に進行していく。まあ、英語の"Play the game."(真剣にやる)という言葉が示す通り、これらのゲームは真剣に取り組まれるからこそ意味があるので、その意味でも日本語の「ゲーム」とは違うのかもしれない。 また、面白かったのはエンダーの兄と姉(共に10代前半でしかない)が、ネットの匿名フォーラムでいくつもの偽名(時には使い捨ての)を駆使して、様々な場所で議論を繰り広げ、論戦の腕を磨きながら、次第に公的なフォーラムへ活動の場所を移し、最終的には現実社会に対して影響力を行使できるまでになる下りで、今のインターネットの有り様と可能性をかなりのレベルで表しているように思う。...成り上がりの過程で自作自演もやってるし。20年近く前の小説だという事実には驚くほかない。 海外SFのネックになりがちな翻訳も読みやすいので、手に取って損はないと思う。今まで読んでいなかったのが悔やまれる、と思える久しぶりの一冊。やはり名作は名作、ということなのか。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
エンダーはどこへ新しいことを習いにいけるのか?,
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レビュー対象商品: エンダーのゲーム (ハヤカワ文庫 SF (746)) (文庫)
どの分野にも名作というものがあり、長く読み継がれる一握りの作品があります。名作にはいくつかの条件があると思います。まず、名作は読者を選びません。本作は、下はエンダーと同じ位の中学1年生前後であれば読むことができ、年間100冊本を読むヘビーリーダーの厳しい批評にも耐えうる厚い内容になっています。また名作は読み手によりいかようにも解釈ができます。本作は少年の成長物語という一面を持っていますが、努力による単純なサクセスストーリーではありません。成功の過程での嫉妬やいじめ、成功者の苦悩など丁寧に描写されています。エンダーの兄のピーターや姉のバレンタインとの対比や愛憎も切り口として読むこともできます。天才として苦悩するエンダーと他人が自分について何を最も嫌っているかを見てとって、いじめることのできるピーターを神と悪魔の対立軸を設定していますが、終盤になるとどちらが悪魔なのかが曖昧になってきます。善や悪の定義が如何に曖昧かを私たちに示しています。 最後に本レビューでは訳文についての意見が少なからず書かれています。しかし、本作が翻訳されたのが1987年であること考えると日本語自体が変容してきていることを勘案されるべきなのではないでしょうか。その意味で本作もロング・グッドバイや夏への扉[新訳版]同様新訳されて読み継がれていくべき作品なのではと思いました。本作は、多感で感受性の強い若いうちに読んでおくことをお勧めします。しかし同時に成熟した大人の読者をも満足させることのできる希少な名作といえましょう。
11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
理屈抜きで楽しい!,
By sei (富山県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: エンダーのゲーム (ハヤカワ文庫 SF (746)) (文庫)
本書の最大の魅力は次々と立ちはだかる障害を、知恵と意志の力で克服していくコンゲームにも通ずる要素と、主人公の(年齢に似合わぬものではあるが)ストイックさにあると思う。このストイックさがあればこそ「単なる少年の成長物語」にとどまらず、老若男女が感情移入できる佳作となっているのだろう。でもねー、ぐちゃぐちゃ分析しなくても、面白さは保証付き!。まずは読んでみてください。五百余頁一気に読みきれると思うから。作中の機知に富んだ会話に、目の前に浮かぶかのようなゲームの具体的な描写に、ちょっと切なくなるような人間関係に、ぐいぐい引き込まれていくこと請け合いです。
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