「不況だから、就職氷河期だという騒ぎは、データを無視した茶番劇である」
という主張が12巻では展開される
その根拠となるデータが
1990年の大卒者数40万人、2005年の大卒者数55万人
大卒者が増えたから就職率が下がったと言いたいようです
これだけ見ると一見正しいようですがいくつかのトリックがあります
まず求人数自体が減っていることを完全無視しています
90年に80万人以上あった大卒への求人は99年には半分以下の40万人
05年には60万人と若干回復します
次にこの漫画はデータを恣意的に抽出しています
就職者数も300万人を切った00年と
景気が回復したと叫ばれ約380万人まで増えた08年とではそれなり差があります
90年と05年のデータだけ抽出し就職者数が横ばいと主張していますが
単に似た数字の年だけ抽出して印象操作しているだけです
15年間隔という中途半端な周期で見てるのは
おそらく就職者数も求人数もどん底だった00年の数字を出さないためでしょう
新卒の就職者数が不景気でも30万人前後を維持していたのは
単に求人倍率が1倍を大幅に切るほど悪くなかっただけです(00年でも0.99倍)
諸外国や既卒、転職者の求人倍率を例に出して
「新卒はこれだけ恵まれてる!氷河期なんて言って甘えるな!」
という主張ならまだ解りますが
「不況だから、就職氷河期だという騒ぎは、データを無視した茶番劇である」
という主張は「この作者頭が悪いんじゃないか?」と疑われるレベルです
他にもツッコミどころは色々ありますが既に長すぎるレビューになってしまったのでこれで終わります
最後にこの漫画のセリフの”マスコミ”の部分を”エンゼルバンク”に代えてお送りします
「エンゼルバンクの報道はつい信じてしまう。」
「エンゼルバンクはデータの一部だけに注目させる。」
「エンゼルバンクに騙されない人間になるためには、データの隠された部分に注目することが重要。」