舞台は1900年代初頭のイギリスで、クラッシックな衣装や建物が
ふんだんに使われ、大時代劇的メロドラマの趣きがあります。
主人公のエンジェルは、少女の頃から有名な作家になることを
夢見る、というよりも、疑うことのない自信を持っていた。
見栄っ張りで傲慢、天衣無縫でエキセントリックな性格は
周囲の人々を振り回す。
自分を特別な人間だと思っていて、かなりの自己中ではあるけど、
いつも自分に正直でどこか無垢なところもあり、憎めない魅力的を
放っていた。
平凡に収まりきらない生き方は、傍で見てる分には面白い。
核となる人間関係は、エンジェルを崇拝するノラと、その弟エスメ。
エンジェルはエスメに一目惚れしてしまい、結婚まで漕ぎ着ける
ものの、その愛情は生涯を通して一方通行だった。
エンジェルの美しい外見と激しい性格は、『風とともに去りぬ』の
スカーレット・オハラを思い出させる。 そうなるとエスメはアシュレかな。
姉ノラの、あまりに献身的にエンジェルに尽くす姿は同性愛傾向を
感じさせ、豪邸に住む3人の三角関係は緊張感をはらんでいた。
売れない画家だったエスメは、女たらしの不実な男だったけど
自分の才能に見切りをつけ、妻エンジェルに養われるのは
辛かったろう。
全てを手に入れ、一時は人生の頂点を極めたものの、だんだんと
自分の思い通りには行かなくなり、破滅へ進んでいく。
ずっと自分で作り上げた虚構の世界に生きてきたエンジェルが
最期のシーンで初めて現実を受け入れる。
その姿が哀れで愛しく、最後まで高飛車なお姫様でいさせて
あげたかったと思った。