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10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
現実との接点の喪失,
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レビュー対象商品: エンジェル (ランダムハウス講談社文庫) (文庫)
フランソワ・オゾン監督で映画化されたエリザベス・テイラーの作品です。(映画女優のエリザベス・テイラーとは別人)
主人公は、貧しい家庭に生まれた「夢見る」女性エンジェルです。周りからいろいろ言われながらも、彼女の想像の世界を小説に書いて、ついに小説家として成功します。しかし、このエンジェルなる女性、自己中心でどうしようもない人間です。やがて、結婚することになるのですが、これも「夢」としての結婚生活を出ません。彼女の「夢」の邸宅を持つのですが・・・。 一人の女性の成功、名誉、凋落、破綻の人生を描いて行きます。 この本を読み進めてゆくと、彼女の作品が「夢物語」であるとすれば、彼女の人生そのものも「夢物語」であることに気づきます。 彼女の結婚も、周りからは破綻していると見えても、いいところだけを見ている彼女には「理想の結婚生活」です。落ちぶれて荒れ果てた邸宅も、彼女には素晴らしい「パラダイス」です。 オゾン監督は言います。 「どんなアーティストも、現実との接点を完全に失い、自己中心的な怪物のような存在になり、自己が最高だと思い込み、世界を支配する王様であるかのように錯覚して、自分の創造世界に閉じこもり、現実と完全に切り離された生活を送ってしまう危険に晒されています。」 この言葉が、この小説を言い尽くしているように思います。
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