今巻の本編の大半を占める親子の絆を取り戻さんとする話は、その終わり方も含めかなり"難しくも何とかなって欲しい"話でした。「嘘」というキーワードを軸に、子供視点と大人視点との比較と両方の気持ちのなかなか噛み合わないもどかしさ、これが読者をりょう達同様にやきもきさせて悩ませて……。最後の場面への流れがじっくりと描かれていて、また安易な展開にもなっていないのがとても好印象な話でした。
しかし香の相変わらずな存在感はさすが、C・Hはいつでもやはり「3人」でやっているということなんでしょうね。それを実感した時のりょうの顔が、とても好きです私。「ああ、そこにいたのか香」という、そんな顔が−−。
りょうもしかしホント、昔にも増して「見守り役としての落ち着きと貫禄」が出てきましたねー。その「気付いているけど敢えて言わない」「それとなく事態を整理し問題を浮き彫りにする」「手を出すのでなく背中を押す」みたいな態度、見習いたいです。本当にかっこいい「大人の男」というのは、こういうのを言うのでしょうね。
いつも通りに面白く、そして楽しく読めた32巻。長く巻を重ねようとキャラ同士の馴れ合いばかりでもなく、閉鎖的な関係ばかりでもなく、常に流転していくが如きにりょう達を描いていく北条先生、さすがです。次巻もまた、期待しています。