最初にこの本を新聞広告で見たときには、よくアメリカのエンジェル本にあるような、天使とつながってハッピーでラッキーな毎日を!というような軽快なものかなと思ったのですが、アイルランドという風土もあいまって、もっと本当の意味での日常的な、ある意味でとても地味な、でも地面にしっかりと足がついた、今までにない天使本だと感じました。
幼少時に天使が見えるせいで奇妙に思われる人たちはよく見聞きしますが、ローナさんの場合は知的障害扱いされ、それが思春期や青年期だけでなく、ずっと後年までも差別的な扱いを受けるというもので、まだ子供時代に自分の未来の結婚相手の悲しい若死の運命を告げられて心を強くして生きるように励まされ、本人もそう心に決して生き抜いていくという、ある意味では壮絶な人生ですが、毎日のように天使と語らいながら、温かいともし火のような幸せを感じながら、極貧生活や周りの人たちの悲しみを優しく癒していく、ささやかな生き方を続けていく姿に、人生の試練を通して心を磨かれていく様子が体験を通して伝わってきます。
他のエンジェル本と少し違うのは、高級天使だけでなく、神様そのものが現れたり、堕天使ではなく悪魔そのものが現れたりなど、独自の説明が体験者として語られています。
悪魔は人が神様に近づこうとしたりする行為を邪魔しにきたりするそうで、神様や天使と共に歩めば最後には悪魔に勝利するとのことですが、私の人生には、そこまで邪悪ではなくても、そういう意地の悪い存在はクラスメートにもいましたので、本当の悪魔の元々の起源とは何なのか、知りたいようにも感じました。神様が世界を創造したのなら、なぜ悪魔が存在するにいたったのかの理由など・・・・
いろいろと考えさせられる本だと思いました。
単に明るくポジティブで気楽に天使とつながれるという励ましを期待している読者にとっても、たしかに日常的な天使とのふれあいは描かれていますが、この本では、事故や悪い出来事が起こるのを直前に天使から警告されて、それから逃れたり、軽いもので済ませたり、被害者を迅速に助けたりするといった、必要にせまられたケースが目立ちました。
極貧のクリスマスの中で天使に祈ったら、誰かが玄関に現金を置いていってくれたり、プレセントをくれたりという奇跡もありましたが、貧しい地域ではそういう奇特な人もいるという話も聞きましたので、よいめぐり合わせも運んでくれたとも考えられると思いました。
いずれにしても、つつましやかな幸せと多くの試練の中での天使体験が綴られていますので、そういう忍耐と寛容さという修行を受け入れる気持ちで人生を生きていこうとする人には大きな励ましになると思いました。