演歌歌手がJ−POPを歌えばどの表現するのかという興味をもってじっくりと聴きました。結論から言えば、原曲がどうであろうとも、しっかりと歌詞とメロディを捉えて自分のものとして歌っていれば良いわけですし、そうでなければただのカラオケを聞かせてもらっているような雰囲気が漂うことになります。
演歌特有のこぶしが気になるようでしたらマイナスでしょうが、原曲通り歌う制約もないわけで、個性的な表現が一般的に受けいれられるかどうかで評価は定まります。
歌唱力のあるなしも、結構他人のヒット曲を歌うと明るみになりますから、簡単にこのような選曲をしないほうが良いと思える歌手も散見しました。
個別には、大月みやこが歌う「恋におちて-Fall in Love-」が原曲の良さを持ちながらしっとりとした歌唱を披露しており気に入りました。歌の上手い人は何でもこなせるという見本でしょう。
日系ブラジル人の南かなこが歌う「世界に一つだけの花」は大らかな歌唱でした。サンバ風のアレンジで本領発揮といった感じでした。
前川清の「真夏の果実」、八代亜紀の「乾杯」はそれぞれの歌唱スタイルが前面にでており、面白い歌唱として聴きました。まさしく「エンカのチカラ」というコンセプトに合致した曲でもありました。
八代亜紀の「恋人よ」なんてまさしくそうで、女の情念がほとばしるようでした。ジャンルを超えて切なさが見事に伝わってきます。
天童よしみの「シクラメンのかほり」は、情感と言うよりもどんな曲でも歌える歌唱力のたまものでしょう。
松原のぶえの「恋」には痺れました。この曲の持つ別れの寂しさ、切なさを実に淡々と歌いながら、心情に込められた強い思いを歌として披露しています。